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覚悟の先の未来へ

薄暗い自室で、盤上の黒白に目を落とす。碁を打つと、頭がクリアになってくる。隣家の幼なじみはメキメキとその腕を上げているが、まだ負けるわけにはいかない。意地になっている自分は、大人になりきれていないのだろうか。まあ、まだ19歳だからして、未熟...
忘れられない女

忘れられない女(6)

波紋のような光を振り撒くシャンデリア。パーティは佳境を迎えていた。悠理は当然のように入場し、招待客の中から恋人をさがす。剣菱の令嬢には全ての特権があり、系列外のホテルの支配人ですら、安易にノーということは出来ないのだ。人々の喧騒を横目に​歩...
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独占欲とその結末

月明かりがレースのカーテン越しに寝室を淡く照らす午前二時。眠りの淵にいた悠理は、寝室のドアが閉まる静かな音で目を覚ました。ベッドの端が沈み、ブランデーの芳醇で鋭い香りが鼻先をくすぐる。​「ん?……清四郎?」​寝ぼけ眼で名を呼ぶと、暗がりから...
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14日ぶりの逢瀬(R)

長い二週間だった。​都会の喧騒が遠く下界で揺らめく中、ホテルの高層階の一室は、外の夜景とは対照的に濃密な熱気に支配されていた。​二週間ぶりの再会。積もる話は山ほどあったはずなのに、顔を合わせた瞬間に湧き上がったのは、喉元まで出かかっていた言...
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青い楽園と火照る恋

逞しい腕が悠理をしっかりと抱き寄せ、アイスブルーのお湯の中、はしゃぐ二人。湯気越しに見つめ合う恋人同士の瞳には、周囲の景色さえ目に入らない。熱い想いが宿る…。​「……ずっと、このままがいいな!」​溌剌とした笑顔で甘いセリフを吐く恋人は今年2...
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不変の愛と食欲と……

ミラノの夕暮れ───少し肌寒くなってきたトラットリア・ダンテのテラス席では、悠理と清四郎が楽しげに歓談している。久々のイタリアに悠理のテンションも上がりっぱなしであるからして……ミラノ風カツレツを最後の一口まで綺麗に平らげると、彼女は満足げ...
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愛しき人、渇望

窓の外には都会の夜景が静かに広がっていたが、室内を支配しているのは、互いの体温と荒い吐息だけだった。​清四郎は、まるで手の中の壊れ物を確かめるように、悠理の頬を掌で包み込んでいた。その瞳には、隠しきれない飢えと、深い情愛が混ざり合っている。...
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それぞれの夜

「そろそろだよな?」「そうですね……あと10日ほどで入院させる予定です。」「あの子にしてはよく頑張ったわよ。悪阻が軽かったにしろ……色々制限加えられて、ぼやいてたものね。」「塩分過多なものばかり好むので、大変でしたよ……」「ま、その点、おま...
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手の温もりと恋の始まり

​有閑倶楽部の面々が飛び込むトラブルは、どれも一筋縄ではいかない。幽霊殺人詐欺香港マフィアに強盗警察顔負けの活躍で、六人は無理難題を乗り越えてきた。いつだって無鉄砲に駆け出す悠理を、清四郎は背後から抑え、的確な機転で道を切り拓いてきたのだ。...
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新婚夫婦の攻防戦

剣菱家に作られた道場では、鋭い衣擦れの音と、バタンと畳を叩く激しい音が響いた。清四郎は落ち着いた表情のまま、悠理の動きを封じる。武道の達人でもある男は、微塵も動揺することなく、まるでじゃれつく子猫をあやすかのように、悠理を完璧な体勢で抑え込...