連載物(短編)

忘れられない女

忘れられない女(6)

波紋のような光を振り撒くシャンデリア。パーティは佳境を迎えていた。悠理は当然のように入場し、招待客の中から恋人をさがす。剣菱の令嬢には全ての特権があり、系列外のホテルの支配人ですら、安易にノーということは出来ないのだ。人々の喧騒を横目に​歩...
忘れられない女

忘れられない女(5)

忘れられない女(1)忘れられない女(2)忘れられない女(3)忘れられない女(4)───────────────夢を見た───まだあどけなさを残す女は、白い制服をゆっくりと脱ぎながら少年を見つめる。艷やかな唇は無色のリップしか塗っていないにも...
忘れられない女

忘れられない女(4)

忘れられない女(3)「せぇしろ……どこにいんの?」暗闇の中、もがく手すら徐々に闇色に染まっていく。息苦しさ、焦燥感、孤独感。悠理が苦手とするそれらの感覚に囚われ続ける真っ黒な世界。一つの光を求め彷徨う手が、指が、闇から抜け出そうと必死に足掻...
遠い島の小さな初恋物語

遠い島の小さな初恋物語(5)

トクントクン……心音はそれでも穏やかだった。悠理はどうであれ、清四郎は川の流れのように自然に近付き、赦されていない唇へ自分のものを重ねた。それはしっとりと冷たく、足の痛みに耐える女の唇。触れるだけの行為でも、興奮が煙のように立ち昇る。一体自...
忘れられない女

忘れられない女(3)

PM6:00───菊正宗家清四郎が学校から帰宅して10分あまりが経つ。夜に行われるESPオンライン会合の準備を整えていると、仕事を終えた修平を待ち構えていたかのように、冴子はやってきた。いつの間に面接したのか、菊正宗病院で働く事が本決まりと...
忘れられない女

忘れられない女(2)

PM8:00───鳴海家クスッ冴子は思い出し笑いを浮かべていた。実家のベッドはドイツのものより柔らかく、留学する前と何一つ変わらない自室には、母の優しさと細やかな気配りがそこはかとなく感じられた。お気に入りのクッションやぬいぐるみには埃一つ...
遠い島の小さな初恋物語

遠い島の小さな初恋物語(4)

白波が寄せては引いてを繰り返す。流れる音楽のように。空は突き抜けて青く、太陽は燦々と輝いて、その光を浴びた彼女はやはり美しかった。「はぁ〜、今日も良い一日だったわ。思い切ってここに永住しちゃおうかしら♡ほら、肌もつるっつる!」エステで磨きを...
忘れられない女

忘れられない女(1)

その日はやたらと暑く、購買部に詰め掛ける学生はこぞって冷たいスポーツドリンクを求めていた。学園の購買部は3箇所に分散しており、それぞれ品揃えは違っているものの、お金持ちの子息子女が好む商品が並べられてある。特に最近発売されたミネラル入りスポ...
アラフォー可憐のお悩み相談室~大人になった六人~

第七話

アラフォー可憐シリーズ「よーし、これで一件落着だな!」そう晴れ晴れと叫ぶことができたのは、テロリストの要求からおよそ三十分後のこと。活躍した悠理は大きく背伸びをし、仲間たちに最高の笑顔を見せた。あの時………野梨子と魅録のラブシーンを中断させ...
抜け出そうとする女(完結)

獣の夜(Rテイスト)

本編こちらへ番外編123456その日の夜──熱い………それはとても熱い体。腹の中で蠢く欲望を掻き混ぜ、溶かし、酔わせていく。齧りつかれれば、それは甘い痛みとなり、貪られれば、それは切ない快感となった。今までかつて経験したことのない荒々しさで...