逞しい腕が悠理をしっかりと抱き寄せ、アイスブルーのお湯の中、はしゃぐ二人。
湯気越しに見つめ合う恋人同士の瞳には、周囲の景色さえ目に入らない。

熱い想いが宿る…。
「……ずっと、このままがいいな!」
溌剌とした笑顔で甘いセリフを吐く恋人は今年20歳を迎える。二人は婚約も済ませ、大学卒業と同時に結婚することとなっていた。
娘に手を出した男を、剣菱百合子は決して逃しはしない。万が一、娘を傷付け別れることとなったら、彼女は蛇神となり、清四郎の喉元に噛み付くであろう。
それはさておき、奇跡的に恋をした悠理は、清四郎の頬にそっと顔を寄せると、
「……ここでエッチなことしても、バレなさそうだよな。」
大胆不敵な発言をした。
彼はその愛らしさに抗うこともできず、彼女の柔らかな肌をいっそう強く抱きしめる。
「確かに……。ただ、喘ぎ声は抑えられないでしょう?」
指摘はごもっとも。
清四郎の深く落ち着いた声が、熱い湯と立ち昇る湯気に溶け込んでいく。
冷たいアイスランドの空気とは対照的に、二人の体温は重なり合い、鼓動は互いの胸に直接伝わるほど近くなっている。
悠理は清四郎の広い胸に預けた身体を揺らし、幸せを噛みしめるように彼を見上げ呟いた。
「がまんするから……」
愛しき恋人の誘いが股間に直結する。
取り繕うように咳払いしながらも、手は悠理の胸へ、腰へと伸びてゆく。
「からかったなら……許しませんよ?」
「ちがっ…っ…んっむ……っ?!」

呼吸を止める勢いで悠理の唇を奪う清四郎。
もはや彼の勢いは止まらない。
ここはアイスランド、ブルーラグーン。
広大な大地の下、地球の鼓動を感じる湯の中で、二人は時を忘れ、ただ互いの愛を確かめ合う甘美な時間だけを貪り続けた。