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読み切り作品

消えゆく境界線

​清四郎の腕の中で、悠理の呼吸がわずかに乱れた。彼が先ほど落とした口付けが、額から眉間、そして柔らかく頬をなぞるように滑り落ちていったからだ。​「……清四郎」​彼の名前を呼ぶ声は、自分でも驚くほど甘く、微かに震えていた。清四郎の瞳が、獲物を...
読み切り作品

PURE

僕たちがファーストキスを交わしたのは、もう随分前のことだ。未だに脳裏から消え去らない甘い記憶。いちごミルクの香り漂う、甘酸っぱい記憶。あの時の彼女はいつになく純真で、女らしく、それでいて艶かしさすらあった。唇を合わせた瞬間、立ちのぼる熱気。...
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Morning Kiss

いつからだっけ?いつから、こんなに激しくなったんだ?昔は軽い挨拶程度のキスだったのに……今はもう、メイドたちが赤面するほどやらしいキスを仕掛けてくる。まだ、朝だっつーの……「行ってきます。」「お、おぅ……いってらっしゃい。」旦那を見送る新妻...
読み切り作品

彼女の背中に僕はいる

台湾料理が食べたい金曜の午後、悠理の発案で、いつもの仲間は剣菱マークのプライベートジェットに乗り込んだ。おじさん、おばさん、珍しく五代まで。巨万の富を持つ名家【林(リン)家】の当主と会食予定があるからと聞いている。僕達はただ悠理の果てしない...
読み切り作品

キスの効能(ショート)

おはようおかえりおやすみ夫婦になってキスが日課になった海外じゃあるまいにヤツは当然のようにキスを求める。今じゃそれに慣れたあたいもいて……ま、いっか?……って思ってる。ちょっとした喧嘩もリセットされるからけっして悪くはない。でもなこの間、ヤ...
読み切り作品

KISSを仕掛けて

嘘みたいだけどほんと冗談じゃないか?って思うけどあたいの初めての男が清四郎だなんて……憎たらしいくらいいつも苛めていた男が初めての恋人だなんて……「好きだった」「おまえしか、欲しくない」そんな告白に、びっくりよりも嬉しさが勝ったなんて、自分...
忘れられない女

忘れられない女(4)

忘れられない女(3)「せぇしろ……どこにいんの?」暗闇の中、もがく手すら徐々に闇色に染まっていく。息苦しさ、焦燥感、孤独感。悠理が苦手とするそれらの感覚に囚われ続ける真っ黒な世界。一つの光を求め彷徨う手が、指が、闇から抜け出そうと必死に足掻...
春の風と囚われの村

春の風と囚われの村(1)

登場人物剣持 旬次郎(54)剣持村の実力者。大地主。手広く不動産業を営む剣持 操  (48)旬次郎の妻剣持 宗一 (26)長男・前妻の子  剣持 龍臣 (19)次男 大学生  剣持 美紗紀(17)長女 高校生  医学部を目指している剣持 羽...
遠い島の小さな初恋物語

遠い島の小さな初恋物語(5)

トクントクン……心音はそれでも穏やかだった。悠理はどうであれ、清四郎は川の流れのように自然に近付き、赦されていない唇へ自分のものを重ねた。それはしっとりと冷たく、足の痛みに耐える女の唇。触れるだけの行為でも、興奮が煙のように立ち昇る。一体自...
恋はままならず

恋はままならず〜清四郎視点の夜〜

恋はままならず〜扉〜の続きほんのりR作品夢、だろうか。───いや、夢だとしても問題ない。彼女の香りが鼻腔を擽り、彼女の寝息が肌に降りかかる。ほんのり伝わってくる体温。絡み合う足先。ふわりと広がる髪が、頭の重みが、この腕に感じられる。閉じられ...