orner

抜け出そうとする女(完結)

番外編2

「津乃峰さん。」「はい?」振り返るとそこには、今年の春マネージャーとして迎えられたばかり───“上野 将吾”(うえの しょうご)の姿があった。30歳。まさしくこれからが男盛りだろう。自信に満ちた表情と野心を秘めた目。未だ独身の彼は何故か私を...
抜け出そうとする女(完結)

番外編1

「わ………雪…………」「え!ほんとに?ヤバい、電車止まっちゃうかなぁ?」「うーん………どちらにせよ、早めに帰った方が良さそうですね。」あの日から二年と少し。季節はクリスマスを迎えていた。高校を卒業した私は、ネットで知り合った女子大生とアパー...
抜け出そうとする女(完結)

本編

私の母は長い間、清掃員をしていた。かれこれ十数年。まだ若いにも関わらず、彼女はそんな地味な仕事を選んだ。人目に付かないようなひっそりとした仕事を。二十歳の時、行きずりの男と一夜の恋に落ち、結果私を身ごもった為、人の親になることを容赦なく突き...
悠歌シリーズ

ショッピング

※母娘ショート「ママってば全然解ってないんだから!」「そうかぁ?あのシャツ、かなりイケてたと思うけどなぁ。」「休日にあんなの着てるパパ、私ヤダ!」「むぅ。………だからってあんな地味なヤツ………目立たないじゃん。」「あのね、あのブランドは今、...
悠歌シリーズ

ざわつく入学式

※小話「いいですね?たとえ男子生徒に声をかけられても一切無視すること。中等部にもなれば、よからぬ輩がわんさか居るもんです。」「解ってるってば。だいたい私、男子には興味ないし。」「あのな、男なんかどーでもいいんだよ!いいか?とっておきのダチ、...
悠歌シリーズ

I wanna be your friend.(前)

※第三者視点剣菱財閥の令嬢、悠歌ちゃんは、誰もが憧れる存在で、中等部のほとんどの男子が彼女に想いを寄せていると言ってもあながち嘘じゃない。才色兼備、スポーツ万能。そのくせツンケンしてなくて、性格は非常に明るい。多少ファザコンながらも、彼女の...
悠歌シリーズ

夏の夜の小さなお祭り

※夏祭りショートお囃子の音。熱気漂う中、赤い提灯が屋台を彩る。地元のお祭りなんて滅多に来ないけど、今日はママの代わりに私がパパのお相手。綿飴焼きそばかき氷ついでに輪投げで景品を当てるのもいいかもしれない。「ママの分もたっぷり遊ばなくちゃね。...
悠歌シリーズ

Forgetting

※悠歌、九歳しまった────その日、帰宅してすぐの清四郎は眉間に深い皺を寄せ、後悔した。今日は愛娘、悠歌の学習発表会。“歴史的音楽家たちの代表曲について”や“彼らのおもしろエピソード”を調べ、父兄たちの前で発表するという、決して見逃せないイ...
悠歌シリーズ

Mr. Right

※悠歌・十二歳の夏仲の良い母娘は南の島を訪れていた。青い海。白い砂浜。広がる珊瑚礁には色とりどりの魚が戯れている。観光客は選ばれし者のみ。ホテル所有のプライベートビーチは美しく保たれ、他のどの場所よりも素晴らしいロケーションだった。「ママ!...
悠歌シリーズ

Fireworks

※悠歌4歳時の小話「おかえり、清四郎。」「ただいま。………おや、悠歌は寝てしまったんですね。」「30分前までは起きてたよ。“一緒に花火するんだ”って。」「それは悪いことをしました。帰り際の余計な電話で、社を出るのが遅くなってしまったので。」...