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道場小話

道場小話1

「おや、早速来ましたね。」「お、おう。」よほどハードな鍛錬をこなしていたらしい。いつもの隙のない髪型はすっかり乱れ、清四郎は汗だくの状態で悠理を出迎えた。「午後の部では師範代が一対一で組み手をしてくれますし、おまえも道着を着て待っていなさい...
IF 悠理が菊正宗家に嫁いだら(VS大叔母)

IF 悠理が菊正宗家に嫁いだら(VS大叔母)

「せぇしろぉ………まだ歩くのかよ。てか、ここん家、庭でかすぎ!」「おまえが言う台詞とは思えませんな。」「うちは玄関先まで車つけれるもん。なぁ、この竹藪…………いつまで続くんだ?」二人は、京都の奥座敷と呼ばれる、ひっそりとした山間にやって来て...
IF 悠理が菊正宗家に嫁いだら

IF 悠理が菊正宗家に嫁いだら

「なぁ、清四郎って義父ちゃん似?義母ちゃん似?」家族揃っての夕食の後、風呂上がりの僕を待ち受けていたのはそんな質問。先に浴びたという妻は、すっかりパジャマを着込み、ベッドに潜り込んでいた。秋の夜長。これから夫婦の大切な時間である。悠理が我が...
IF 剣菱家の事情。~あの時の二人が~

IF 剣菱家の事情。~あの時の二人が~

※剣菱家の事情より。IF設定です剣菱邸では夕食の準備がすっかり整い、10人は座れるであろうダイニングテーブルに、悠理一人が着席していた。「五代、清四郎は?」「は。清四郎様は帰宅された後、書斎に隠っていらっしゃいますぞ。」「またぁ?あいつめー...
狐の婿取り

狐の婿取り~第七話~

夜風が強い。連日の雨はおさまったが、日を追うごとに寒くなってきている。もう、すぐそこにまで冬が訪れていると判り、悠理は小さく肩を竦めた。今日は酒を飲む気になれず、夕飯の後は魅録の冒険話に耳を傾けていた。何でもこの男、時として都を離れ、この国...
狐の婿取り

狐の婿取り~第六話~

ザァザァ────あぁ、雨だ。地面を打ち付ける激しい雨。冷えた空気と埃立つような勢いの雨粒。そういえば、あの恋しい男と出会った時も、雨が降っていた。みすぼらしい女を洞窟に招き入れ、僅かな食料を分け与えただけでなく、乾いた着物すら貸してくれた。...
狐の婿取り

狐の婿取り~第五話~

帝に書簡を届けた後、朝廷への挨拶を済ませた清四郎は、長旅に疲れた身体を白木の床に横たえ月を眺めていた。すすきの穂が細い風に揺れ、もの悲しさすら感じられる閑庭。青く、まあるい月が空を照らしている。そんな冴え冴えとした───晩秋の夜。ひときわ孤...
狐の婿取り

狐の婿取り~第四話~

それから三日が経ち───二人はとうとう京の都へ足を踏み入れた。旅の終わりに近付けば近付くほど歩みは遅くなり、宿に寄れば、食べる間を惜しんで互いを求め合う。────どうせ今だけの関係。雲の上の御仁に想いを寄せても無駄なこととわかっている。京で...
狐の婿取り

狐の婿取り~第三話~

「さぁ!寄ってらっしゃい!うちの焼き栗は最高だよ!」その日。約半日歩いて到着した宿場町では、辺りから甘い香りが漂っていた。まだ日も高く、賑わいを見せる街道。並ぶ店の軒先では、芋や栗と共に、キジを焼く芳ばしい香りが食欲をそそる。「腹減ったなぁ...
狐の婿取り

狐の婿入り~第二話~

闇を舞う火花。焚き火がゆっくり、消えかけようとしていた。亥の刻を過ぎたあたりだろうか。雨は小降りに落ち着いているが、夜の冷え込みはなかなかに厳しい。唯一の暖に頼りながら、互いの身の上話に興じた二人は、徐々に薄暗くなる岩壁をうとうとと眺めてい...