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クリスマス作品

White Christmas

「なんか………サンタクロースさんってかわいそう。」窓の外では本格的な雪が降り始めている。等間隔で並ぶライトアップされたもみの木は、粉砂糖を振ったように真っ白。どうやらこの寒波、年末まで続くようだ。先ほどからテレビで流れる天気予報は、軒並み雪...
遠い島の小さな初恋物語

遠い島の小さな初恋物語(1)

時は春。大学部の入学式も無事終わり、サークル勧誘も一段落ついた辺りの頃。有閑倶楽部のメンバー達も新しい学び舎にすっかりと馴染み、長期連休に向け旅計画を立てていた。「いいかげんアフリカいこーよぉ!南極でもいいからさぁ。」「あたし、バンクーバー...
夜に惑う

夜に惑う(熱夜:R)

“酒豪である”、と自負しているつもりだ。滅多なことでもない限り、酒にのまれたりはしない。騒ぐだけ騒いでスカッと眠れば、朝はすっきりいい目覚め。食欲すら減退せず、通常モードで三杯飯を食らう。だからこんなにも長く、ふわふわと宙に浮いたような酔い...
狐の婿取り

狐の婿取り~第九話~

悠理が清四郎の屋敷で過ごすようになって五日ほどが経つ。着物も食べ物も、不足なく用意され、それはまさしくお姫様待遇であった。使用人として連れてこられた魅録が清四郎と顔を合わせることは稀だったが、日中どこかしらへ出かけている雇い主の足取りを追う...
読み切り作品

恋、恋われ・・・

※甘い二人(R要素あり)一生、独りでもいいって思ってた。結婚なんてまっぴらごめんだって。でもでも一度知った想いは気球のように膨らんで、空高く飛んでゆく。なんて清々しい気分。叶えた恋はどんな美味しいものより魅力的だ。剣菱悠理、ハタチ。初めての...
夜に惑う

夜に惑う(ラスト)

清四郎が彼らの後ろ姿を見つけた時、タイミング悪く、タクシーの前に酔っ払いのサラリーマンらしき男が飛び出してきた。急ブレーキをかける運転手。軽い舌打ちこそ出たが、客の前である。罵倒は寸でのところで飲み込んだのだろう。クラクションを軽く二回鳴ら...
読み切り作品

Snow storm(前)

ビュォォォォォ───外は猛吹雪。立派なログハウスだが、瓦礫となって吹き飛んでしまうんじゃないかと心配するほどの風速である。そんな状況においても、すきま風すら吹き込んでこない理由は、この建物が北欧の職人によって作られたものだから。とはいえ、や...
読み切り作品

雨と頭痛と優しい薬局

※可憐のお話。ショート。鉛色の空そろそろ雨が降るのだろう湿度の高い風心なしか頭が重く、そして痛い。昔からそうだった。こういう日は薬を必要とする。ママと同じ体質だから、同じ薬を。花屋を通り過ぎると小さな古びた薬局があって、二代目の跡取りはわり...
読み切り作品

Dance with me

「おい!清四郎!これ、どういうことだよ!」「朝っぱらから一体、どうしたんです?」爽やかな目覚めとはほど遠い。妻の甲高い声に重い瞼を上げた夫は、彼女が手に持っているモノを目にし、思わず言葉を失った。「なんで、スーツのポケットに口紅なんか入って...
読み切り作品

何も知らなかったあの頃には戻れない

※ショート「ねぇ、手、繋がないの?」過去、それなりに深い関係になった女性からかけられた言葉。僕は曖昧な笑顔で、その可愛いはずの“お強請り”をやんわり拒否した。だいたい人前で、それも人通りの多い街中で、そんなことをする趣味はない。歩幅の違う男...