湯気が立ちこめる浴室の中。
シャワーの音が心地よいリズムを刻んでいる。
清四郎は背後から優しく、しかし確固たる強さで悠理を抱きしめていた。

落ち着いた眼差しで悠理を見つめる彼の表情には、言葉には尽くせないほどの深い愛情が溢れている。
目は口ほどに物を言うとはよく言ったもの。
悠理を包み込む彼の大きな腕、そして透明な水飛沫が二人の肌を伝い落ちる。
蒸気に曇るガラス戸が、閉ざされた空間の親密さをより一層際立たせていた。
「まだ眠いのか?」
清四郎の低く穏やかな声が耳元で響き、悠理は少しだけ照れくさそうに、けれど愛おしそうに頬を染めた。
昨夜、初めて結ばれた二人。
深夜まで続いた愛の営みは、悠理を新たな世界へと導いた。
清四郎もまた、愛しい女の意外な一面を知り、より一層愛が深くなったと感じる。
悠理が振り返り視線を合わせると、清四郎は満足げに細めた目で微笑んだ。
そしてそのまま二人は、引力に吸い寄せられるかのように唇を重ねた。

清四郎の大きな手が悠理の顔を優しく包み込み、ゆっくりと、しかし情熱的に確かめ合うような口づけを交わす。
朝の光が差し込み、水しぶきをキラキラと反射させるロマンティックなひとコマ。
「……もう、完全に覚めたよ…。」
唇を離した悠理が潤んだ瞳で清四郎を見上げる。清四郎は小さく笑うと、彼女をもう一度強く抱き寄せた。
「その目は、まだ僕を欲しがってますね……」
確信に近い問いかけ。
目を瞠り慌てて距離を取ろうとするも、清四郎の腕の中から抜け出せるはずもない。
「ば、ばかやろぉ……!朝から何言ってんだ……」
「朝も夜も関係ないだろう?僕たちはまだ……」
そう言いながら、今度は本気で彼女の唇を貪り始める。
「んっ……んんむ…っ……!」
(始まったばかりなんだから……)
朝の清浄なシャワールームが徐々に、しかし確実に温度を上げ、濃密なふたりの香りを湿った空間に閉じ込めた。
今日という一日が始まる。