窓の外では、夜の静寂を縫うように冷たい雨が降り続いていた。
豪奢な寝室は、互いの吐息と体温で濃密に満たされている。
この逃げ場のない熱狂の中で、清四郎の大きな手が愛おしげに、そして貪るように女の頭を抱え込む。
整った顔立ちが目の前にあり、漏れる吐息が肌を焦がす。
「もぉ…出して……清四郎……」

自分の声が震えているのを、悠理はまざまざと感じた。
甘く、それでいて切ない懇願。
清四郎の瞳が、暗闇の中で獣のように妖しく揺らめく。
彼は女の名を呼ぶ替わりに唇を重ね、全ての言葉を封じた。
清四郎の腕から逃れることなど、最初からできない相談だった。
むしろ彼が離さないことが唯一の救いでもある。
溶け合った唇が離れ、熱く滾った目で見つめ、あえて意地悪く、それでいて甘く、耳元で低く蕩けるように囁く。
腹の中がマグマのように溶け出し、悠理は痺れる腰を彼に擦り付けた。
それはまるで獣の如く。
「望み通りに………してあげましたよ。」
声の響きだけで、体中の力が抜けていく。
うっとりと見つめた男へ、悠理は再び懇願を始めた。
「………もっと………何回でも……おまえが欲しい………。」
まだ男のものは吐精を続けているというのに……。
揺れる腰は更に更に……と、もがいている。
清四郎が静かに、ほんの僅かの間、目を閉じた。
そして覚悟を決めたかのように頭を左右に振り、その後再び開いた眼光は、今までのそれより遥かに強いものだった。
「無茶苦茶にしてやるっ……!」
激しい宣言。
深く、すべてを支配しようとするかのように悠理を抱きしめる。
互いの汗で滑る肌が水音を立ててぶつかり、悠理は跳ね、清四郎は穿ち続ける。
「あっ……!あぁ!!!すご……っ!も、おかしくなる……!」
「…っ………まだまだでしょう?おまえが……狂うまで………こうして……っ……くっ……!」
締め付ける胎内が男の余裕を奪う。
美しい女の美しい胎。
この女に永遠を刻みつけることが出来るなら、清四郎は命を落としても悔いはなかった。
「せぇ……しろ………っ!好き……あっ……好きだから……もっと………ぁあ!!」
「愛してる……!ゆうりっ……!」
激しい口づけとともに、ドクドクと流し込まれる熱い体液が、女の全身に甘美な痺れをもたらす。
互いという檻の中に閉じ込められ、ただひたすら愛し合うことしかできない二人。
刹那、否、永劫続くであろう熱に、彼らは深く長い闇夜を見つけ、溺れていった。