読み切りシリーズ(ノーマル)

まだまだ青春シリーズ

邪魔する者は馬に蹴られろ!(前編)

マギタ王国は地中海に浮かぶ小さな国だ。主な資源はアレキサンドライトなどの鉱石と僅かな石炭のみ。乾いた土地では多くの作物は育たず、ほとんどの食材を近隣諸国からの輸入に頼っていた。人口も年々減り続けていて、今や若者はヨーロッパ大陸へ移住しつつあ...
まだまだ青春シリーズ

まだまだ青春

新緑の頃も過ぎ、梅雨が差し迫る学園にて。いつものメンバーは、いつもの場所で、まったりと過ごしている。最近の高校生は発育が良い。美童の鼻の下がグンと伸びるわけもそこにあった。「いやぁ~、今年の新入生は特に良いよねぇ♡」涎を垂らさんばかりに、窓...
眠り姫は僕のもの

眠り姫は僕のもの

それは、まさしく眠り姫を起こす王子そのものだった。初夏の清々しい風がそよぐ中、ポプラ並木の一角、木陰に置かれたアイアンベンチは彼女の居眠りスポット。講義が面白くない日はいつもそこで横たわっている。年頃の女性とは思えない行いだが、悠理はいつも...
道場小話

道場小話5

「さすがにわしも年でのぉ。………弟子を増やすのはもう無理じゃわい。」「んな固いこと言わずにさぁ~。あたいだったら水くみも鶏の世話も経験済みだし、じっちゃんの肩だって揉んでやるじょ?」「ふぅ………確かに、嬢ちゃんほどよく動く弟子はなかなかおら...
道場小話

道場小話4

いくら────いくら和尚から技を聞き出したいにしても、あんなことまでする必要性があるのか?さっきから肩、腕、腰、足………全てをマッサージして回る悠理。媚びるようにヘラヘラと笑いながら。まるで丁稚奉公に来た小僧だ。何よりも苛立つのが、道着の開...
道場小話

道場小話3

試合に負けた清四郎なんて、初めて見る。落ち込んでるよな。プライド高いもん。でも───仕方ないよ。足首ひねってんじゃん。脇腹も打撲してんじゃん。夕べ飲んだ帰り、酔っぱらいの車に轢かれそうになったあたいを、あいつ、助けてくれたんだよ。仕方ないじ...
道場小話

道場小話2

「ふぉっふぉっふぉっ。嬢ちゃんもなかなかやるのぉ。清四郎がほれ、余裕を欠いておるわい。」「じっちゃん!早く攻撃の仕方、教えてくれよ!このまんまじゃ、いつまで経ってもあいつに勝てないじゃん!」「わしゃ知らんもーん。第一おまえさんは、うちの門下...
道場小話

道場小話1

「おや、早速来ましたね。」「お、おう。」よほどハードな鍛錬をこなしていたらしい。いつもの隙のない髪型はすっかり乱れ、清四郎は汗だくの状態で悠理を出迎えた。「午後の部では師範代が一対一で組み手をしてくれますし、おまえも道着を着て待っていなさい...
IF 悠理が菊正宗家に嫁いだら(VS大叔母)

IF 悠理が菊正宗家に嫁いだら(VS大叔母)

「せぇしろぉ………まだ歩くのかよ。てか、ここん家、庭でかすぎ!」「おまえが言う台詞とは思えませんな。」「うちは玄関先まで車つけれるもん。なぁ、この竹藪…………いつまで続くんだ?」二人は、京都の奥座敷と呼ばれる、ひっそりとした山間にやって来て...
IF 悠理が菊正宗家に嫁いだら

IF 悠理が菊正宗家に嫁いだら

「なぁ、清四郎って義父ちゃん似?義母ちゃん似?」家族揃っての夕食の後、風呂上がりの僕を待ち受けていたのはそんな質問。先に浴びたという妻は、すっかりパジャマを着込み、ベッドに潜り込んでいた。秋の夜長。これから夫婦の大切な時間である。悠理が我が...