連載物(長編)

Pirate Panic(完結)

第三話

悠理がわざわざ身代わりを申し出たのは、彼らからヨギを引き離す為でもあったが、一番の目的は拘束を解いてもらい、何かしらの食べ物を胃に収めることだった。一日六食。それも毎度恐るべき量を食べる彼女にとって、空腹は耐えがたい拷問。今もぐぅぐぅと警笛...
Pirate Panic(完結)

第二話

饒舌になった男の話は聞くに耐えないものへと変化してゆく。清四郎達は、鋭い眼光で僅かな隙を狙ってはいるものの、彼らは意外と統率の取れた集団で、なかなか綻びを見せようとはしない。二人の焦りは募るばかり。かといって、縛られた状況で暴れても事態は好...
Pirate Panic(完結)

第一話

贅沢に慣れきった彼らでも、大海に沈み行く美しい夕日は何度見ても飽きない。基本食べ物にしか興味を示さない悠理ですら、その大きさと見事なグラデーションにはポカンと口を開けていた。「素敵ねぇ。」「ほんと、贅沢な景色ですわ。」想像していたよりも穏や...
Pirate Panic(完結)

序章

それは、修羅場を潜り抜けて来た彼らにとって、新たな試練の一つだった。大学部へと進学した六人。最初の二ヶ月は新しい生活に浮き足立ち、それぞれの興味ある事、そして色んな集まりへと顔を出していた。しかし彼らは結局のところ直ぐに飽きてしまう性質で、...
eternally(完結)

本編

出張先のニューヨーク。この土地の冬は寒く、交通はすぐに麻痺してしまう。凍てついた道路で、先程から黄色いタクシーが右往左往している。客の苛立ちがここからでも容易に想像できるほど、立ち往生していた。オイルヒーターの側で乾かしたバスローブはほんの...
a debauched scandal

第四話

その夜の晩餐は滞りなく、しかし清四郎の視線は常に男へと注がれていた。“盛田誠吾”は雄弁な男だ。直木賞作家の本領発揮とばかり、たまにジョークを交えながらの巧みな会話は、宴席を笑いで満たす。隣に座る“山本太一郎”はまるでゴマを擦るかのような笑顔...
a debauched scandal

第三話

「あら。悠理は今日、休んでるの?」いつもなら6人が必ず揃うおやつの時間。手製のケーキを人数分に切り分けようとした可憐は、ようやくその人物が不在であることに気付いた。彼女が居なかった試しは無い。その不自然さに首を傾げた可憐へ、すかさず答えを与...
a debauched scandal

第二話

幽霊は居た―――という報告は次の日、ミセス・エールに伝えられ、引き続き調査&除霊に向けて動くこととなった。姿を見た4人は、それが確かに「さゆり」であったことを告げる。「しっかしなぁ。なんであの部屋なんだ?ただの資料室だろ?」魅録は絞められた...
a debauched scandal

第一話

きっかけはミセス・エールの一言だった。「是非とも皆さんで、彼らの問題を解決してあげてください。」聖プレジデント学園の学園長である彼女は、現在日本とイギリスを頻繁に行き来している。母親の病状は安定しているが、やはり年齢のせいで心寂しいのだそう...