読み切り作品Sweet Night こいつと夜を過ごすようになって、どのくらいになるだろう。 高等部を卒業した直後に変わった二人の関係。 “優等生”の仮面を剥がした男は、美童顔負けの色気で迫ってきた。 ───ちょ、おまえ、そんなキャラだっけ? ───変です... 2019.12.19読み切り作品
読み切り作品Thanks to a God. 眩いばかりのイルミネーション。 耳を通り抜けるクリスマスソング。 たとえ雪が降りそうなほど寒くても、行き交うカップルたちの表情は明るく、誰もが底抜けに幸せそうだ。 「やれやれ。こんな時期に外で待ち合わせなど、一体どこに視線... 2019.12.19読み切り作品
読み切り作品Fragrance(ショート) 悠理から香る甘い匂い……… その香りに敏感な鼻が反応したとき、僕は彼女を意識していると気付いた。 今まで感じたことのない………女性らしい香り。 香水とは違う。 かといってフェロモンの類でもない。 それは甘く、不思議... 2019.12.19読み切り作品
読み切り作品IF 悠理が菊正宗家に嫁いだら(ショート) 「あら、紫陽花が満開。」 玄関から一歩出たばかりの和子は目を細め、喜んだ。 彼女の誕生月でもある水無月はじめじめと鬱陶しいものの、青紫の花が雨によく似合うため、わりと好きな季節となっている。 隣家のお嬢様はいつも二枝ほど持ち帰り、... 2019.12.19読み切り作品
読み切り作品宣戦布告 街中を一組のカップルが歩いていた。 いや、正確にはカップルのような近い距離で。 楽しそうに、時折小突き合う年頃の男女。 女は最近流行のチーズドッグというものを頬張っていて、口の周りを汚せば、隣の男はそれを手の甲で拭ってやっていた。... 2019.12.19読み切り作品
読み切り作品missing you(ショート) くそぉ………瞼が重い。 夕べ、調子に乗って飲み過ぎたか。 せっかくのクリスマスだってのに、二日酔いなんて冗談じゃねぇ。 手繰り寄せた携帯電話を見ればメールが四件。 その内二件は可憐で、今夜表参道で行われるパーティについての話... 2019.12.19読み切り作品
読み切り作品Seventh Heaven(Xmas story) 「ふぁあ………さっぶい!さっさと飯食いに行こうぜ!」 「この時間なら適当な居酒屋くらいしか………」 「いいよ!行こ行こ。」 いつもは混雑する大通りも、深夜11時を過ぎると人も疎ら。 カップル達は今頃、予約したホテルでまっ... 2019.12.19読み切り作品
読み切り作品Don と 来い! 夕べは──いつもよりあっさりした夜だった。 それも仕方ない。 東南アジアの新興国を三週間かけて巡ってきたのだ。 遊びならともかく、仕事となるとさすがに疲れも溜まる。 いくら清四郎がタフだったとしても。 朝まであるはずの温も... 2019.12.19読み切り作品
読み切り作品猫とYシャツと私(ショート) 「タマー、フクー!」 どっこいったー?あいつら。 せっかく新しいオモチャ買ってきてやったのに。 ネズミが五匹も付いたクルクル回る棒を片手に、最近かなり太ってきた二匹を探す。 テラス側にあるお気に入りのソファには居ない。 ク... 2019.12.19読み切り作品
読み切り作品秋風と小さな幸せ 「待たせましたね。」 街中で呼び止めた相手はESP研究会の一人で………デート中にも関わらず、30分も話し込んでしまったのは、確かに僕の失敗。 広場のベンチで独り─── 何よりも退屈を嫌う彼女が、よくもまあ、怒って帰らなかったも... 2019.12.19読み切り作品