orner

読み切り作品

Snow storm(前)

ビュォォォォォ─── 外は猛吹雪。 立派なログハウスだが、瓦礫となって吹き飛んでしまうんじゃないかと心配するほどの風速である。 そんな状況においても、すきま風すら吹き込んでこない理由は、この建物が北欧の職人によって作ら...
読み切り作品

雨と頭痛と優しい薬局

※可憐のお話。ショート。 鉛色の空 そろそろ雨が降るのだろう湿度の高い風 心なしか頭が重く、そして痛い。 昔からそうだった。 こういう日は薬を必要とする。 ママと同じ体質だから、同じ薬...
読み切り作品

Dance with me

「おい!清四郎!これ、どういうことだよ!」 「朝っぱらから一体、どうしたんです?」 爽やかな目覚めとはほど遠い。 妻の甲高い声に重い瞼を上げた夫は、彼女が手に持っているモノを目にし、思わず言葉を...
読み切り作品

何も知らなかったあの頃には戻れない

※ショート 「ねぇ、手、繋がないの?」 過去、それなりに深い関係になった女性からかけられた言葉。 僕は曖昧な笑顔で、その可愛いはずの“お強請り”をやんわり拒否した。 だいたい人前で、それも...
読み切り作品

Barbarian Children

最初、その子を“少年”だと思った。 “一夜の夢”を売る“イケナイ青少年”だと─── この界隈ではそういった類の商売が多く、もちろん需要と供給は成り立っているわけで、刑事の俺がいうのも何だが、それも“必要悪”みたいなも...
読み切り作品

終わらない欲望(R)

※短めですがR作品 「やっ…………!」 「ほら、ちゃんと開いて………」 「やだよ。恥ずかしいじゃんか。」 「今更何言ってるんです?早く診せなさい。」 「やだってばぁ!!!」 朝七時...
Happy Daily Life

Happy Daily Life act.5

※何気ない朝 「最近、目覚めがいいようですね。」 新婚カップル、といっても長い付き合いである。 お互いの事は充分すぎるほど知り尽くしているわけで……… もちろん、悠理の朝がめっぽう弱いことを清四郎は強く認識し...
母と子

母と子(小話1)

「ねぇー!お腹空いたよ、ママ。」 「ん~?何時だ?………てか、二時じゃん。さっき飯食ったばっかだろ?」 「おやつ欲しい……」 「はぁ………悠馬はあたいに似ちゃったからなぁ。」 いつもの内線電話を手にしながら、自分もま...
読み切り作品

unlicensed lust(R)

六人が冬休みの旅先に選んだ東北の地。 四泊五日のスキー旅行。 野梨子と美童の二人は、外せない用事があった為、後から合流することとなっていた。 可憐と悠理、清四郎と魅録は、静かな特急の中、向かい合わせでボックス席に座る。 ...
抜け出そうとする女(完結)

番外編4

番外編1 番外編2 番外編3 「…………なんか、今日、綺麗ですよね?」 トイレで鉢合わせた職場で一番若い女の子。 大きな目と長い睫毛は、たいていの女子の憧れでもある。 ふっくらした唇には今年流行の...