美しき、幸福な朝

柔らかなカーテンの隙間から朝の陽光が差し込む。

静かで穏やかな日曜の朝。

​ベッドのヘッドボードにあるデジタル時計が「8:15」を指している。

休日の朝にしては早い方だ、と清四郎は目を閉じた。

そして1時間後………

温もりに満ちたベッドの中、二人は互いの肌に擦り寄りながら、眠っている。

とはいえそろそろ腹も減ってきた。

​清四郎は上半身を起こし、背中を軽く伸ばすと、まだ夢の中にいる悠理を見つめた。

その穏やかな視線は慈愛に満ち、悠理を温かく包み込んでいる。

鍛え上げられた上半身には、朝の柔らかな光が反射し、健康的な美を際立たせていた。

 

​一方、悠理はクセのある髪が枕元に広がり、安らかな寝顔には微かな笑みが浮かんでいる。きっと良い夢を見てるんだろう。

一目でわかるご機嫌の良さ。

パジャマの襟元から覗く真っ白な首筋は、清四郎の視線を釘付けにするには十分すぎるほど色っぽかった。

​眠る悠理の額にそっとキスを落とす。

風のような優しい温もりに、悠理は目を開けぬまま、心地よさそうに声を上げた。

 

「んん……もう朝……?」

「9時過ぎてますよ。」

「え!?」

悠理は清四郎の腕の中で小さく身じろぎし、パチパチと瞬きをして目を覚ました。

その無邪気な姿に、清四郎は思わず口元を緩める。

​窓からは小鳥のさえずりが聞こえ、カーテン越しの陽光が部屋をより一層明るく照らしている。

二人にとって、この穏やかで幸せな目覚めの瞬間こそが何よりの贅沢だった。

 

「腹減りませんか?」

​「減った!」

「久々にホットケーキでも焼きましょう。」

「やった!じゃあ、あたい手伝うよ。」

「………お気持ちだけで充分です。」

顔を見合わせ笑い合い、ベッドからゆっくりと起き上がる。

 

幸せな朝

幸せな会話

どんなトラブルが舞い込んでも、この瞬間のためならどんな努力も惜しまない。

清四郎は常に誓っていた。

「悠理………」

「ん?」

「愛してる……」

優しく細められた目が、悠理をあたたかく捉える。

彼らしくないその瞳にもずいぶん慣れたように思う。

「あ………あたいも………」

頬をポッと染める、まだまだ初な婚約者を、清四郎はぎゅっと抱き寄せ、大きく息を吸い込んだ。