夜に惑う第三話 お目当てのパンケーキ(特大トリプル・生クリーム・フルーツ増量)を二皿食べ終わった頃、悠理の携帯電話がけたたましく鳴った。 彼女の大好きなロックバンドのヒット曲が甘い雰囲気の店内に響きわたり、清四郎は眉をひそめる。 「こら、マナーが悪... 2019.11.20夜に惑う
夜に惑う第二話 あれから一週間。 悠理はあの夜の返事を保留にし、もちろん告白されたことを魅録に伝えたりもしなかった。 男女交際なんて柄じゃない。 それも相手から告られるなんて…… 早太に抱かれた肩は別れた後も震え、鳥肌はなかなか引かなかった... 2019.11.20夜に惑う
夜に惑う第一話 「暇、だなぁ…………」 ぽそり、呟いた台詞はすっかり温くなったキールロワイヤルの中に消えた。 元々そこまで好きな酒じゃない。 どうせならとっておきのシャンパンだけを楽しみたかったのに………今、席を外している男が勝手にオーダーしたの... 2019.11.20夜に惑う
悠丞&椿シリーズ南国の空の下で 「花清ちゃんと、悠花ちゃんは寝た?」 「うん。昼間遊びすぎたからね。ぐっすりさ。」 「なら…………これからは私たち二人きりの時間ね。」 「…………椿ちゃん♡」 ここは常夏の島、ハワイ。 あの後、プライベートジェット... 2019.11.20悠丞&椿シリーズ
悠丞&椿シリーズ入学式 聖プレジデント学園中等部は、春爛漫のその日、入学式を迎えていた。 晴れ着を纏った父兄たち。 浮き足だった生徒。 そのほとんどが初等部からの持ち上がりだが、中学生という肩書きが心躍らせるのか、皆そわそわしていた。 新入生代表の挨拶... 2019.11.20悠丞&椿シリーズ
悠丞&椿シリーズ同じ温もりで・・・・ 悠丞君は鈍感で、自分では解っていないようだけど、人を惹きつける魅力がとってもある男の子なの。 善人、悪人の識別はほぼ100%正解だし、何故か相手の戦闘力を削ぐような空気感を醸し出しているのよね。 あれは確か初等部に入って間もなくのこ... 2019.11.20悠丞&椿シリーズ
悠丞&椿シリーズ僕の中の火花 僕は剣菱悠丞。 中等部の最高学年となってまだ間もない。 新しいクラスメイトの顔と名前も、少しずつだけどなんとか一致するようになってきた───気がする。 先生達に至っては、間違えずによく覚えられるなって感心するよ、ほんと。 うちの... 2019.11.20悠丞&椿シリーズ
悠丞&椿シリーズ僕のフィアンセ 僕の父さんと母さんは、この学園で伝説となった人達だ。 誰に聞いても知っている。 正直、ありがたいようなありがたくないような、微妙な感じ。 特に父さんとは何かにつけ比べられるため、居心地は良くない。 見た目だけそっくりの平凡な息子... 2019.11.20悠丞&椿シリーズ
Love trianglesequel ヨーロッパ随一のホテル『Fida Malika』は、アラブの王族が自分たちの為に建てた豪華絢爛な宿泊施設だった。 長期に渡るバケーションを、彼らは親族や臣下、友人達を引き連れやってくる。 遣うお金も桁外れ。 周辺の街は活気に包まれ、店... 2019.11.18Love triangle
Love triangle後編 宣戦布告─── 僕たちは静かに闘いの火蓋を切ったわけだが…………。 同じ屋根の下で暮らす彼に、先へとリードされそうで不安………というのが心からの本音だった。 だが、今のところ悠理のサシャに対する思いは古馴染みのそれ。 時間と距離... 2019.11.18Love triangle