青い果実たち(本編)第二話 「悠理ってば、いつも喧嘩ばっかりしてるけど、ちょっとくらい気になる男の子居ないの?」 「ブホッ!」 可憐にそう尋ねられた悠理は口にしていた海老天を思いきりよく、吹き出した。 こうして5人、中庭に集まって昼食を食べるよう... 2019.11.17青い果実たち(本編)
青い果実たち(本編)第一話 ―――ごきげんよう 朝の爽やかな挨拶が交わされる中、ひときわ元気な少女が一人、颯爽と歩く。 剣菱悠理、十五才。 現在、クラス委員副委員長という役職に就いてはいるが、元は教師泣かせの問題児である。 そんな彼女に声をかける四... 2019.11.17青い果実たち(本編)
青い果実たち(番外編)La nouvelle lune(初めての夜:R) 青い果実たちシリーズ:15歳の二人 最初は制服のリボンを解いた。 次に上衣のボタンに手を伸ばし、指が震えないよう気を配った。 彼女が協力的に腕を上げてくれたことは嬉しい誤算で・・ それが僕を受け入れてくれているという、何より... 2019.11.17青い果実たち(番外編)
青い果実たち(本編)序章 「ふぁ~あ、よく寝た。」 時計を見なくとも既に昼近くだと判るのは、眩しいほどの太陽が天窓から差し込んでいるから。 「ん・・?ここ、どこだっけ?」 軋む身体をんしょっと伸ばし、悠理は辺りを見回した。 見慣れぬ壁紙、見慣れぬ... 2019.11.17青い果実たち(本編)
太陽の下で(番外編)~黒羊は何を見る?中編~R 夜遅くの剣菱邸─── 仕事を終えたメイド達は、そのほとんどが住み込みで働いている。 広々とした従業員専用のリビングでのんびりとお茶を啜り、一日の締めくくりに他愛もない噂話を楽しむのが日常だった。 「お嬢様が留学したら、寂しくなるわ... 2019.11.17太陽の下で(番外編)
太陽の下で(番外編)~黒羊は何を見る?前編~ 良家の子息子女が通う名門の学園とて、全て白い羊ばかりとは限らない。 中には稀に、黒羊だって存在する。 瀬戸美香子はもしかすると、その黒羊だったのかもしれないが、流石に生まれた時から黒いはずもなく─── それはあくまでも、一つの切っ掛け... 2019.11.17太陽の下で(番外編)
太陽の下で(番外編)X’mas小話 「菊正宗先生!メリークリスマス!」 聞き馴染んだ声の教え子に背中を叩かれ、振り向いた瞬間、首にふわりと巻かれたマフラーはどう見ても手編みのそれ。 清四郎は毛糸のチクチクした感覚に多少の不快感を覚えながらも、極力、表情に出さぬよう努力... 2019.11.17太陽の下で(番外編)
太陽の下で(番外編)後日談3 「悠理、もし予定がないなら、明日パーティに行かない?」 そう誘ってきたのはクラス一の社交家、黄桜可憐。 手には招待状らしき封筒をちらつかせ、にっこり優雅に微笑む。 「パーティ?」 授業が終わった後の悠理は、明らかにそ... 2019.11.17太陽の下で(番外編)
太陽の下で(番外編)後日談2 夏休み明け直後の試験。 悠理は驚くべき快挙をなし遂げ、教師陣を驚かせた。 全教科30点以上。 数学に至ってはまさかの58点。 彼女の人生に於いて、これほどまで見事な結果を生み出したことは一度としてない。 それもこれも菊... 2019.11.17太陽の下で(番外編)
太陽の下で(番外編)後日談1 夏休みが明ける直前。 五代と共にマンションを訪れた百合子が、唐突にこう告げた。 「そろそろ、うちに帰ってらっしゃい。」 プレ新婚生活を楽しんでいる二人に、突如として訪れた激震。 山盛りの素麺を啜っていた悠理と、甲斐甲斐しく茹... 2019.11.17太陽の下で(番外編)