読み切り作品

読み切り作品

Snow storm(中)

Snowstorm(前) 猛吹雪の外界から、まさかの客。 茶色に染まったウェーブヘアは雪の粒に凍らされ、重たげに肩へと垂れ下がっていた。 厚手のダウンジャケットは凍てつく氷そのもの。 視界もままならぬ吹雪の中、彼女が...
クリスマス作品

White Christmas

「なんか………サンタクロースさんってかわいそう。」 窓の外では本格的な雪が降り始めている。 等間隔で並ぶライトアップされたもみの木は、粉砂糖を振ったように真っ白。 どうやらこの寒波、年末まで続くようだ。 先ほどからテレビで流...
読み切り作品

恋、恋われ・・・

※甘い二人(R要素あり) 一生、独りでもいいって思ってた。 結婚なんてまっぴらごめんだって。 でも でも 一度知った想いは気球のように膨らんで、空高く飛んでゆく。 なんて清々しい気分。 叶えた恋はどんな...
読み切り作品

Snow storm(前)

ビュォォォォォ─── 外は猛吹雪。 立派なログハウスだが、瓦礫となって吹き飛んでしまうんじゃないかと心配するほどの風速である。 そんな状況においても、すきま風すら吹き込んでこない理由は、この建物が北欧の職人によって作ら...
読み切り作品

雨と頭痛と優しい薬局

※可憐のお話。ショート。 鉛色の空 そろそろ雨が降るのだろう湿度の高い風 心なしか頭が重く、そして痛い。 昔からそうだった。 こういう日は薬を必要とする。 ママと同じ体質だから、同じ薬...
読み切り作品

Dance with me

「おい!清四郎!これ、どういうことだよ!」 「朝っぱらから一体、どうしたんです?」 爽やかな目覚めとはほど遠い。 妻の甲高い声に重い瞼を上げた夫は、彼女が手に持っているモノを目にし、思わず言葉を...
読み切り作品

何も知らなかったあの頃には戻れない

※ショート 「ねぇ、手、繋がないの?」 過去、それなりに深い関係になった女性からかけられた言葉。 僕は曖昧な笑顔で、その可愛いはずの“お強請り”をやんわり拒否した。 だいたい人前で、それも...
読み切り作品

Barbarian Children

最初、その子を“少年”だと思った。 “一夜の夢”を売る“イケナイ青少年”だと─── この界隈ではそういった類の商売が多く、もちろん需要と供給は成り立っているわけで、刑事の俺がいうのも何だが、それも“必要悪”みたいなも...
読み切り作品

終わらない欲望(R)

※短めですがR作品 「やっ…………!」 「ほら、ちゃんと開いて………」 「やだよ。恥ずかしいじゃんか。」 「今更何言ってるんです?早く診せなさい。」 「やだってばぁ!!!」 朝七時...
母と子

母と子(小話1)

「ねぇー!お腹空いたよ、ママ。」 「ん~?何時だ?………てか、二時じゃん。さっき飯食ったばっかだろ?」 「おやつ欲しい……」 「はぁ………悠馬はあたいに似ちゃったからなぁ。」 いつもの内線電話を手にしながら、自分もま...