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悠歌シリーズ

夏の夜の小さなお祭り

※夏祭りショート お囃子の音。 熱気漂う中、赤い提灯が屋台を彩る。 地元のお祭りなんて滅多に来ないけど、今日はママの代わりに私がパパのお相手。 綿飴 焼きそば かき氷 ついでに輪投げで景品を当てるのもいいか...
悠歌シリーズ

Forgetting

※悠歌、九歳 しまった──── その日、帰宅してすぐの清四郎は眉間に深い皺を寄せ、後悔した。 今日は愛娘、悠歌の学習発表会。 “歴史的音楽家たちの代表曲について”や“彼らのおもしろエピソード”を調べ、父兄たちの前で発...
悠歌シリーズ

Mr. Right

※悠歌・十二歳の夏 仲の良い母娘は南の島を訪れていた。 青い海。 白い砂浜。 広がる珊瑚礁には色とりどりの魚が戯れている。 観光客は選ばれし者のみ。 ホテル所有のプライベートビーチは美しく保たれ、他のどの場所より...
悠歌シリーズ

Fireworks

※悠歌4歳時の小話 「おかえり、清四郎。」 「ただいま。………おや、悠歌は寝てしまったんですね。」 「30分前までは起きてたよ。“一緒に花火するんだ”って。」 「それは悪いことをしました。帰り際の余計...
悠歌シリーズ

ADORE

※悠歌13歳のお話 「ん?これってラブレター?」 「あっ!」 聖プレジデント学園中等部に進級したばかりのプリンセスは、その美貌に拍車がかかり、日々異性の注目を集めていた。 年の割には大人っぽい悠歌。 ...
悠歌シリーズ

archrival side story03

●悠世vs清四郎 小話 「おい、悠世・・・・一人で眠れないってどういうことだよ。おまえ来年には初等部なんだぞ?」 「だって・・・・」 「ん?」 「最近、こわい夢見るんだ・・・。おっきな雪男に追いかけられる夢・...
悠歌シリーズ

archrival side story02

~♪♪♪ ━━━━今日は遅くなる。先に寝ていてください。 そんなメールを開いたのは7歳を迎えたばかりの幼きプリンス、悠世だ。 彼がここのところ興味を示す虹色の携帯電話は、もちろん母、悠理の所有物である。 知能指数の高い彼は難...
悠歌シリーズ

archrival side story01

「ママも一緒に遊ぼ~!!」 軽井沢に新しく建てた別荘に、家族揃ってやって来た剣菱一家。 百合子、万作、清四郎、そして悠歌と悠世。 悠理は駆け出す我が子を眩しそうに見つめていた。 今年三才を迎える悠世は元気一杯。 運動神経の...
悠歌シリーズ

archrival~the beginning~

※「archrival」から時は遡り、悠世の生まれる前です。 その日の悠理はとにかく不調だった。 理由の一つとして、珍しく胃痛がすること。 そしてもう一つは夫の長期不在である。 かれこれ二ヶ月ほど姿を見ていない。 独り...
悠歌シリーズ

archrival

その日、剣菱主催の晩餐会には多くのゲストが招待されていた。 世界各国の貴賓に加え、日本の主たる政治家達。 狙うマスコミやパパラッチが屋敷を取り囲む。 ここまでの顔ぶれが揃うことは、滅多にない。 彼らも必死だった。 現在、剣...