雨雨(聖夜の二人:微R) いつの間に予約していたのか─── 清四郎に連れられチェックインしたそこは、都内でも三指に数えられる高級ホテル。 光の海を見下ろせる高層階スイートは、誰もが憧れる幻の部屋だった。 クリスマス仕様ということで、広い天井にはプラネタリウ... 2019.11.20雨
雨雨(聖夜の二人) 雨に濡れた石畳。 既に上がってはいるものの、路傍の人々は寒さに肩を竦めている。 イルミネーションは眩いばかりに輝き、寒々しい夜を飾った。 そう───今日はクリスマスイブ。 冷たい風に晒されながらも、恋人達の胸は暖かい。 此処に... 2019.11.20雨
雨雨(続・参) 今日もまた雨。 どんよりとした雲と、時折木々を揺らすほどの強い風。 美しく切り揃えられた芝生が水を弾く中、悠理は窓の桟に浅く腰掛け、人気のない中庭を見下ろしていた。 「最近、雨…………多いよなぁ」 誰へともない呟きを... 2019.11.20雨
雨雨(続・弐) 雨はまだ止まない。 夜はどんどんと更けていく。 デート(仮)を楽しむ清四郎と、戸惑いながらもついて行く悠理。 手近な店でトンカツを存分に堪能した後、さて一体何をするのか? 商業施設から出た二人は煌びやかなネオンの中、肩を触れ... 2019.11.20雨
雨雨(続) 雨雲は重く蔓延る。 日も暮れ落ち、辺りはすっかりネオンが瞬いているが、天気の所為か人の気配は少ない。 悠理は濡れた制服を紙袋に入れた。 飛び込んだブティックはサービスが手厚く、 水を吸い込んだ鞄も丁寧に拭き上げ、すっかり元通りの... 2019.11.20雨
shameful secret~誰にも言えない~シリーズ本編~第七話~ 七 使い慣れた無線機をいつものように弄っていると、これまた馴染みの仲間がコンタクトをとってきた。 深夜一時の出来事。 “魅録さん………ちょっと気になることが………” 相手がいつになく躊躇った感じで話すため、魅録も... 2019.11.20shameful secret~誰にも言えない~シリーズ
shameful secret~誰にも言えない~シリーズ本編~第六話~ 六 時は遡り──── 悠理達は華やかなパーティが終わった後の二次会を楽しんでいた。 週末の夜ともなれば、どこもかも貸し切り状態。 そんな中、洒落たダイニングバー全てを借り切って盛り上がる集団が、悠理達だった。 ... 2019.11.20shameful secret~誰にも言えない~シリーズ
shameful secret~誰にも言えない~シリーズ本編~第五話~ 五 魅録は黒づくめの男に囲まれていた。 初七日なのだから当然といえば当然。 自身も礼服に身を包み、ご仏前を差し出したばかりだ。 剣菱百合子は顔馴染みの幹部に分厚い其れを渡していた。 姉御よりも姉御らしい風格は周りの者を圧倒する... 2019.11.20shameful secret~誰にも言えない~シリーズ
shameful secret~誰にも言えない~シリーズ本編~第四話~ 四 鏡に映った自分は、もう以前の自分ではないような気がする。 野梨子は寝間着の前を静かに開き、赤く腫れた肌をじっくりと見つめた。 障子からは否応無しに朝日が透けてくる。 鏡台に光が反射し自分を照らすけれど... 2019.11.20shameful secret~誰にも言えない~シリーズ
shameful secret~誰にも言えない~シリーズ本編~第三話~ ※このお話から少々陵辱的なシーンが加わります。ご了承ください。 参 武富組若頭、芝は夜遅くの電話を嫌う。 とはいえこんな稼業だ。 急な連絡を無視するわけにもいかない。 「何だ?」 不機嫌そうな声で... 2019.11.20shameful secret~誰にも言えない~シリーズ