読み切り作品二度目の恋 ※清悠ではありません。野梨子の恋話。 二度目の恋は大学二年の春に訪れた。 ロサンゼルスからやって来た一人の客員教授。 チャイニーズアメリカンの彼は考古学の専門家で、大学だけに留まらず、メディアや映画界からも引っ張り... 2019.12.07読み切り作品
読み切り作品ひな祭り(小話) 三月三日は桃の節句。 剣菱邸では百合子主催の人形祭りが開かれていた。ご自慢の巨大な雛壇には多くの人形たちが並べられていて、そのほとんどが全国の名高い職人に作らせた銘品である。 一部の若いメイド達も、この日ばかりは可愛らしい着物に身を... 2019.12.07読み切り作品
読み切り作品デートファッション(小話) 確かに──── 確かに僕は彼女に告げた。 “初めてのデートなんです。いくらなんでも男同士のカップルには見られたくない。それなりの格好でお願いしますね。”───と。 今、その発言を三日前に遡って消去してしまいたい。 跡形も... 2019.12.07読み切り作品
読み切り作品彼女のDeclaration ────幸せ? そう聞かれて、曖昧に笑うしかないあたし。 幸せ………なのかしら。 この美貌と完璧なボディスタイル。 それに楽しい仲間たち。 ママは元気だし、特に困ったことはないけれど───素直に“幸せよ!”って笑う... 2019.12.07読み切り作品
読み切り作品Phone Call ───よぉ、悠理。今から出てこれねぇか?アツシの就職祝いで飲み屋貸しきったんだけどよ。箱がでかすぎて、人が足りねぇんだ。 だからアツシだよ、アツシ! おまえ、この間、奴の後ろに乗って喜んでたろ? そう、ヤマハのナナハン……... 2019.12.07読み切り作品
読み切り作品買収する男(小話) 「どうしたの?清四郎ちゃん。」 「ううん………何でも。」 「……………剣菱さんが気になる?」 「別に。」 「ウソ。一年生になったらあの子と同じクラスになりたかったんでしょ?」 「ち、違うよ。そんなんじゃ... 2019.12.07読み切り作品
読み切り作品春よ、恋 「ほら御覧になって。菊正宗様と白鹿様。」 「お二人とも素敵ねぇ。」 「雛壇に並んでも、遜色なくてよ。」 「是非、コスプレしていただきたいわ。」 「まあ、賛成!さぞやお美しいことでしょうね。」 あれは高校... 2019.12.07読み切り作品
読み切り作品going my way 「いいですか?お酒はほどほどに。帰りは名輪を呼ぶか、タクシーを捕まえなさい。携帯電話を無くさないよう時々チェックするんですよ?」 「はいはい。わあったってば。親よりもうるさいぞ、清四郎。」 「親以上に………愛している自信はあるん... 2019.12.07読み切り作品
読み切り作品悪夢に魘される男 「ごめん、清四郎。やっぱあたい………魅録みたいな男が好きだ。これからは魅録と生きてく。」 「わりぃな。清四郎さんよ。こいつは俺が責任もって大事にするから、許してくれよな。」 「な、何を…………馬鹿なこと…………」 ... 2019.12.07読み切り作品
読み切り作品missing さ み し い─── 声に出したら、なんてチープな音の並び。 だからヤなんだ。 こんな風にうじうじするくらいなら、 好きになんてなりなくなかった。 特別な男なんて作りたくなかった。 ただの友達で、 あの... 2019.12.07読み切り作品