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Seventh Heaven(Xmas story)

「ふぁあ………さっぶい!さっさと飯食いに行こうぜ!」 「この時間なら適当な居酒屋くらいしか………」 「いいよ!行こ行こ。」 いつもは混雑する大通りも、深夜11時を過ぎると人も疎ら。 カップル達は今頃、予約したホテルでまっ...
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Don と 来い!

夕べは──いつもよりあっさりした夜だった。 それも仕方ない。 東南アジアの新興国を三週間かけて巡ってきたのだ。 遊びならともかく、仕事となるとさすがに疲れも溜まる。 いくら清四郎がタフだったとしても。 朝まであるはずの温も...
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猫とYシャツと私(ショート)

「タマー、フクー!」 どっこいったー?あいつら。 せっかく新しいオモチャ買ってきてやったのに。 ネズミが五匹も付いたクルクル回る棒を片手に、最近かなり太ってきた二匹を探す。 テラス側にあるお気に入りのソファには居ない。 ク...
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秋風と小さな幸せ

「待たせましたね。」 街中で呼び止めた相手はESP研究会の一人で………デート中にも関わらず、30分も話し込んでしまったのは、確かに僕の失敗。 広場のベンチで独り─── 何よりも退屈を嫌う彼女が、よくもまあ、怒って帰らなかったも...
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Love Birds

「清四郎!あんたねぇ、プールに来るって解ってて、キスマークつけまくるの止めなさいよ!耐水用のファンデで隠すのも限度があるんだからね!」 そこは昨年出来たばかりのアミューズメント施設。 特に猛暑である今年の夏は多くの家族連れや...
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ざわめき喫茶店

それは悠理宛てに投函された一通の手紙。 ───ご主人が、とある女に言い寄られてますよ。相手は海外事業部の才女。気をつけて。 剣菱本社の重役である夫に女の影? 新婚一年目の妻の目が鋭く光った。 清四郎とは二...
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おもひで

────清四郎ちゃん! 見た目からは想像できないほど気の強い少女の呼び声が、中庭に響きわたった。 桜はすっかり花びらを落とし、すでに初夏の陽射しを感じさせる空が広がっている。 普段は穏やかな日常が繰り広げられる聖プレジ...
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Anything for you(魅×可)

ええ、あたし知ってるわ。 あんたはまだ、あの王女様のこと、気にしてるわよね。 見かけによらず一途な男だもの。 なんたって南の島での恋物語。 甘酸っぱい思い出に浸る気持ちも分からなくはないわ。 でもね。 あたしの方...
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some day(ショート)

ひとしきりの雨が空気を澄んだものにする。 眩しいほどの空と木々の緑。 水滴に輝く太陽の光。 雨上がりの景色が こんなにも美しいなんて──── 悠理は無意識に目を細めた。 菊正宗総合病院には何度もお世話になっていて、顔見知...
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譲れない存在

※清四郎がようやく目覚めた。悠理への想い 肩にかかる重み。 上下する薄い胸。 規則正しい吐息がかすかな音を立てる中、僕はこみ上げてくる愛しさと苦しさの狭間に立たされていた。 お世辞にも恋愛に向いているといえない自分が...