読み切り作品Chase the chance ────好きだから、いじめるんでしょ? そう指摘してきたのは二つ年上の才女。 教授にも一目置かれている、生粋のマキャベリストだった。 大学部に進んでからというもの、この手の女性からやたらと声をかけられ、誘われる。 いちいち相... 2019.11.28読み切り作品
読み切り作品姫始め(お正月作品:R) 「お・と・そ♪ ぞ・う・に♪」 「随分とご機嫌ですな。」 「あったり前だろ!お正月なんだから。」 悠理は振り袖の袂(たもと)を振り回しながらニカっと笑って見せた。 元旦の剣菱邸。 誰よりも早く到着した清四郎は、... 2019.11.28読み切り作品
読み切り作品十年目の追憶 大学部の入学式と同時。 話題の中心となったのは派手な男女六人。 私は外部受験だったからその存在を知らなかったのだけど、周囲の人間は黄色い声をあげ騒ぎ立てる。 学部毎にファンクラブがあると言われるほどの有閑倶楽部。 その中でも金髪... 2019.11.28読み切り作品
読み切り作品憂鬱なバレンタイン 「せぇしろぉのばぁたれー。」 「あんたねぇ、こんなとこであたしに愚痴ってる暇あるなら、直接言いに行きなさいよ。」 「だって…………ぐすっ」 見目麗しい女二人はホテルのランチビュッフェを堪能したあと、ロビーのカフェに居座っていた... 2019.11.28読み切り作品
読み切り作品満ち足りる男 悠理と朝を迎えるようになって、2週間が経つ。 寝相が悪いはずの彼女は、僕の腕に抱かれていると何故か、いつものようには寝乱れない。 すやすやと、まるで人形の様な顏(かんばせ)のまま、夢の中を漂っている。 寝顔など、それこそ何度も... 2019.11.28読み切り作品
読み切り作品告白する男 清四郎:「悠理が好きです。」 野梨子:「もっと情感をこめませんと・・・」 清四郎:「悠理が、好き・・です。」 野梨子:「弱気な感じがしますわ。」 清四郎:「悠理が、好きだ!」 野梨子:「・・・・清四郎らしくあり... 2019.11.28読み切り作品
読み切り作品嗚呼、勘違い 金曜の午後。 街の時計塔は五時半を指し示している。 悠理は行き交う人々の中に、ちらほらと高校生が混じっているのを見て、ほっこりと和んだ。そう言えばつい一年前まで、自分もあんな風に制服を着ていたよな。 多少窮屈そうに━━━。 卒業... 2019.11.28読み切り作品