読み切り作品苦い春 それは彼らが仲良くなる少し前のこと── 中学3年生……本来、受験勉強に邁進している時期なのだが、聖プレジデント学園に通う生徒にそんな焦りは見当たらない。ほとんど学生が幼稚舎からのエスカレーターに乗り込み、おそらくは大学部までその箱から... 2024.07.27読み切り作品
恋はままならず恋はままならず〜焦り〜 発芽→惑い 眼の前に広がる不快な光景。 初めはなんの冗談だ、と魅録を窺っていたが、どうやら嘘や新手のジョークではないらしい。 “達也”と呼ばれる男はよほどのお気に入りなのか、魅録は終始、満面の笑みで彼らを茶化していた。 この... 2024.07.26恋はままならず
恋はままならず恋はままならず〜惑い〜 (発芽から続く) カチカチカチ…… 枕元のクラシカルな時計がやたら五月蝿く聞こえるのも、思考が、とある一方向を向き、神経が研ぎ澄まされているから。 いつもならグルメや旅行、夜遊びのことでシッチャカメッチャカな悠理だが、... 2024.07.26恋はままならず読み切り作品
読み切り作品青い夏の日(後編) 前編 → 中編 悠理は寝室のベランダに立ち、夜空を見上げている。 星の美しさはここからでも充分確認できるが、展望台の方がより鮮明に見えることだろう。 今頃、二人はどんな会話をしているのか。気にならないと言えばウソに... 2024.07.26読み切り作品
遠い島の小さな初恋物語遠い島の小さな初恋物語(3) (1) (2) “安静に”と言われたとて、大人しく聞き入れるような女ではない。 せっかくのバカンス。 大好きな海は直ぐ目の前に広がっているのだ。 翌朝、芝田お手製のモーニングをたっぷり腹におさめた... 2024.07.25遠い島の小さな初恋物語
Lost memoryLost Memory〜その後の二人〜 (R作品です) 雨………か。 窓の外はグレー 一色。 ヨーロッパとは違い、アメリカの大都会は雨が降ると、どことなく寂しい雰囲気がするな……と悠理は思った。 あの事件から三年もの月日が経つ。’たった三年’と言えないこと... 2024.07.24Lost memory
読み切り作品横恋慕(1) 「悠理ちゃん!やっぱり来たんだ。」 「あったりまえだろ!DJシオンがわざわざ帰国してんだから!」 馴染みのライブハウスにはいつもより大勢の客が詰め掛けていた。 それもその... 2024.07.24読み切り作品
恋はままならず恋はままならず〜発芽〜 なんだかなぁ……今日は気持ちが乗らないっつーか、たぶん楽しめない気がするんだよなぁ。 スマートフォンに羅列された文字は、普段なら絶対心浮き立つ誘い文句なのだが、何故か今日に限って気が進まない。 魅録の仲間がオープンさせた「焼... 2024.07.20恋はままならず
読み切り作品BAD LOSER 運動会は悠理にとって最大のイベントである。 勉学では劣るものの、運動だけは誰にも負けない自負があるため、その活躍を見せつける最高の場として毎年楽しみにしているのだ。 今回は中学最後の運動会ということもあり、さらに気合が入っていた... 2024.07.18読み切り作品
読み切り作品僕と彼女と夜の街(2) 僕と彼女と夜の街(1) 紫の紫陽花が朝露に光る。 爽やかな青紅葉もまた、小さな葉を陽に透かせば、初夏の香りが風と共に漂ってくる、そんな錯覚をおぼえた。 そろそろ暑くなるだろう。 空の青さがいっそう色を濃く... 2024.07.13読み切り作品