●悠世vs清四郎 小話
「おい、悠世・・・・一人で眠れないってどういうことだよ。おまえ来年には初等部なんだぞ?」
「だって・・・・」
「ん?」
「最近、こわい夢見るんだ・・・。おっきな雪男に追いかけられる夢・・・」
「へえ・・・雪男ねぇ。んなもん、潔く闘って勝てばいいだけの話だろ?」
「それだけじゃないもん!白い着物着たおばあさんが冷たい手で僕の首を掴んだり・・・」
「う・・・・それは怖いな。」
「でしょ?だから・・・今日は一緒に寝てくれる?」
「・・・・・まあ、清四郎がいいって言うなら・・・・・」
悠理、おまえはなんて馬鹿なんです。それは悠世の策略ですよ。
弱い部分を見せて、まんまと自分の思い通りに事を運ぼうとしている。
だいたい僕が「OK」を出すとでも?
週末の貴重な夜をフイにしてまで、息子の言うことを聞くほど甘い父親ではありません。
さあ、ここは孫にとことん甘いお義母さんにお願いするとしましょうか。
それとも軽い催眠術でもかけるかな。
どちらにせよ、二人の甘い夜を邪魔などさせません。
ええ・・決して。