─────なぁ、これでいいの?
幻覚か?
いや現実だ。
まるで夢見てるような心地よさ。
“ここは天国だ”と言われれば、“その通りだ”と頷いたことだろう。
辿々しさの中に男慣れしていない彼女を見つけ、ほくそ笑む。
華奢な指が包み込む猛りきった欲望が、涎を垂らし悦んでいる。
想いを凌駕する歓喜。
背中を震わせ、彼女の口を汚すことに夢中な自分は、この世で一番醜い生き物に感じる。
「悠理……………」
ジュル………ジュポ………ズズズ……
決して美味しくないはずのソレは、柔らかな口の中で扱かれ、甘い唾液にまみれてゆく。
食いしん坊な悠理の蕩けるような口。
喉の奥に触れる度、恍惚に満ちた世界が訪れる。
蜜を垂らす先端に絡みつく舌が、
体液に濡れる艶めいた唇が、
全ての引き金となり、
僕は腰を激しく振り、彼女の口を性器に見立てた。
極上の快感を与えてくれるだけではない。
支配欲
嗜虐心
甘く轟く戦慄
生まれて初めて与えられた行為、それも心から欲した女の健気な行為に、僕の中で抑圧されていた全てが解放された。
「ゆうり………あぁ…………ゆうりっ………!」
涙を流しながらも、決して離そうとはしない彼女の覚悟に奮い立つ。
苦痛に歪む長い眉が、心ときめくほど美しい。
喉奥で扱かれる欲棒は、もはや吐き出すタイミングを見計い猛り狂っていた。
えづくよう喉を痙攣させた瞬間、背中を駆け抜ける快感に逆らえず、白濁した多くの液体を小さな口の中に流し込む。
目を瞠る悠理は逃げることすら出来ない。
何故なら、彼女の頭は僕の手によって完全に固定されていたのだから。
「飲んで………」
囁くよう懇願すると、戸惑いながらも喉をコクリコクリと動かす。
目が眩む光景だった。
その淫靡な音が
悠理の喉の中を流れる精液が
僕の仕業だと思えば、このまま死んでもいいとさえ思ってしまう。
「んっ………ハァハァハァ………」
息を切らす彼女の口を解放し、目尻から零れ落ちる涙を指で拭うと、愛しさが溢れ出てしまう。
「………愛してる。」
柔らかな髪に触れられ、何とも言えぬ複雑な表情でこちらを見上げる悠理は、まるで子供のように無垢だった。
罪悪感と達成感が入り交じる男の本能。
あれほど吐き出したにも関わらず、まだその大きさを保つ自身の飢えっぷりに苦笑するも、次は悠理の中に埋め、この世の全ての快楽を与え尽くしたいと願う。
「気持ち…………良かった?」
微笑む事で返事とし、彼女をベッドへと持ち上げる。
今宵は優しさなど必要としない。
意識が飛び、気が狂うほどのセックスに溺れさせ、本能赴くままの肉欲に目覚めさせてやろう。
僕の全てを飲み込んだ悠理。
おまえが狂う姿は…………きっとどんな時よりうつくしい。