I am no match for you(R)

「あ……ま、待って!清四郎!」

「待てるわけないでしょう?何日お預けを食らったと思ってるんです?」

そこは閑を持て余した男女六人が集まる部屋。
昼は皆で集い食事を楽しみ、放課後は面白いことが無いかと頭を巡らせる大切な空間だ。
しかし清四郎と悠理は、仲間達が早々に下校した後、恋人同士の甘い時間を楽しむ。

「たった三日じゃんかぁ。」

「三日‘も’ですよ。僕がどれほどこの身体に執着しているか知っているでしょう?━━━ああ、やっと………おまえの香りを吸い込める。」

学園始まって以来の優秀かつ、全てにおいて万能な生徒会長は、あろうことか女の股に顔を埋め、下着の上から秘められた場所を舐めしゃぶっている。

「こ、こんなとこでしなくてもいいじゃん!家帰ろうよぉ~。」

「待てませんね。授業中ですらおまえを抱きたくて頭が沸騰し始めていたんですから。ほら、もう少し足を開いて協力してください。」

協力しろ、というわりには強引に鼻先を突っ込まれ、コットンの下着を舌でぐいぐいと押してくる。
いつもよりも性急な男の愛撫に、悠理は口元を押さえながら、必死で声を殺していた。

「すごく良い香りだ。生理後は特に甘く香りますね。」

━━━━へんたい!

頭の中だけで詰る理由は、下手に逆らえば男の仕置きが我が身に降りかかるから。
サディストでもある清四郎を怒らせて、まともだったことは一度もない。
大抵、酷く責められ、思考できないほど狂わされる。
時として道具まで使われるのだから、大人しくしておいた方が懸命なのは、馬鹿な悠理ですら深く理解していた。

「おまえは汗すらいい匂いがするな。午後から体育だったんでしょう?」

「ち、ちゃんと拭いたぞ!?」

「ここは蒸れるんですよ、必ずね。」

秘裂をなぞるよう鼻の先端を布越しに擦り付け、清四郎はうっとりと息を吸う。
明らかに湿った下着は、果たして唾液か?それとも━━━・・・

「ぁ……あぁ……ん」

鼻を利かせる男のひくひくとした振動が、悠理の敏感な粒を刺激する。
それはもう触れてほしくて堪らないほど膨らんでいたが、清四郎はいつも後回しにし、徹底的に焦らすのだ。

「さぁ、テーブルの上で下着を脱いでお尻を付き出しなさい。たっぷり舐めてあげますから。」

靴を脱いだ悠理は、言われた通りそろりと乗り上げると、自らプリーツスカートをたくし上げ、男の目の前に臀部を晒す。
丸みを帯びた滑らかな白い肉。
清四郎はその肉に手を伸ばし、ゆっくりと円を描くように撫で回した。

「綺麗ですよ、悠理。」

「嘘ばっか。ほんとは可憐のケツみたいなのが良いんだろ?」

「一般的にはそうですね。でもおまえのここは、僕の嗜虐心をそそる。」

発する声に色濃い欲情が見受けられ、悠理は直ぐ様、身を固くした。
経験上、次に自分の身に何が起こるか知っているからだ。

パン!
軽く、弾けるような音が響く。

「………っ!」

パン!
再び同じ音が鳴り、白い肌がうっすらピンクに染まった。
そして続け様に何度も叩かれ、その色は更に鮮やかな薔薇色へと変わる。

「良い色になりましたね。」

清四郎が自身の大きな掌で尻を打つことは、決して珍しくはない。
それは確かに屈辱的な行為ではあるが、喧嘩慣れした悠理にとって大した痛みではない為、彼女は男の気が済むまで大人しく打たれることに決めていた。

「ああ、すごく可愛いですよ。僕はこの形良いおまえの尻が大好きなんです。」

うっとりと呟く清四郎はそこへ頬擦りをしつつ、露となった秘所に指を這わせる。
そこは湿地帯のように汗ばみ、とろりとした甘い蜜が内腿を濡らしていた。

「叩かれて感じるようになりましたね。良い子です。」

首を左右に振って否を唱えても、反応した身体はすっかり黒い瞳の前に晒されている。
どんな言い訳も通用しない。

「褒美にたっぷりと舐めてあげましょう。」

潤んだ花園へ男の唇が近付く。
今度は布越しではなく直に吐息が感じられ、悠理はぶるりと身を震わせた。
二本の指でそっと開かれた秘唇を、温(ぬる)い温度を持った厚い舌が蛞蝓(なめくじ)のように這い回る。
時々、ジュルリと音を立て啜られる愛液に、自分の身がどれほど快感に反応しているかが否応なく見て取れた。

「ん………ぁ………せぇしろぉ!」

「美味しい……ゆうり……すごく美味いです。」

制服の裾から片手を忍び込ませ、清四郎はブラジャーをぐいと押し上げた。
小さな胸にはあまり必要としないその僅かな布は、男の手で呆気なくずらされ、可憐に勃ち上がった小さな乳首をキュっと摘ままれる。

「やぁ………んっ!」

━━━━良い反応だ。

清四郎は揉み込むよう捏ねくり回すと、爪を立てカリカリと刺激を与え始めた。
それには悠理とて堪らない。
痺れるような快感が全身を巡れば、細い腰が勝手に揺らめき始め、男を誘う為の蜜を更に振り撒く。

「あぁ……!!せぇしろ、お願い!はやく…………シテ!」

「おやおや、はしたないですねぇ。いつもは僕だけの所為にされますが、おまえも心待ちにしていたんじゃないですか。」

意地悪な断言に悠理は涙目で訴えた。

「あ、あたいもしたかった!せぇしろ!ねぇ、早くもっと触ってよぉ!」

「どこに触れてほしい?きちんと言わなきゃこのままですよ?」

指し示すそこは、恐ろしいほどの快感が集まる小さな花芽。
ちょっと触れられただけでも気が狂いそうになる艶やかな真珠をピンと尖らせたまま、悠理は甘い声で懇願する。

「そ、そこ、クリ●リス、触って!お願い!もっと気持ち良いことしてぇ!」

「ふ……素直なおまえは本当に可愛い。大好きですよ。」

清四郎は望み通りそこへと口を近付け、悠理の腰が砕けるまで何度も絶頂を与え続けた。



ぐったりとした身体。
それを緩やかに抱き起こし、真正面から悠理を抱き締める。

「可愛い……悠理。」

何度も呟かれた愛玩の言葉。
うっそり目を開いた悠理は、自然と口端を緩ませる。

「せぇしろ……」

啼き過ぎて枯れてはいるが、それでも甘さを含み媚びる声。
制服越しの胸板に指を這わせながら、次への期待を男に伝える。

「欲しくなりましたか?」

「んなもん、とっくだい……。せいしろは?」

「言ったでしょう?三日間、どれほど焦がれていたか……」

そう言って裸に剥かれた身体が大きなテーブルに横たえられ、清四郎は自身も早急に制服を脱ぎ始めた。
見る見るうちに彼の逞しい肉体が現れ、下着越しに膨らんだ凶器のような昂ぶりが悠理の目に飛び込んでくる。

━━━━いつ見ても凄い。

それは自分が女であることを強く感じる瞬間。
あんなにも太くて、硬くて、長い物が身体に突き立てられ、何も考えられなくなるほど翻弄されてしまうなんて、自分がどれほど頼りない存在なのかを痛切に知る。

「悠理、少し触ってくれますか?」

「……う、うん。」

起き上がり、近付いてきた剥き出しの熱にそっと手を添え、上下に擦る。
こんな行為にも躊躇うことがなくなった自分を恥じて、悠理は頬を赤らめた。

そうしている内に、亀頭を中心から溢れ出たとろみが白い手を汚す。
ぬるぬるとした興奮の証。
清四郎の息が徐々に上がってくる。

「きもちいい?」

「…………すごく。分かるでしょう?」

ピクピクと小刻みに痙攣するソレは、確かに高い熱を発している。
悠理は途端に愛しく感じ、思い切って小さな口を開いた。

「……悠理?」

「何を……?」という前に清四郎のペニスは彼女の口に収まってしまった。
その目眩く心地良さ。
決してオーラルセックスは初めてでは無い。
が、相手があの悠理というだけで興奮は最高潮に高まる。

「あ……ゆうり…………待て……」

そんな言葉とは裏腹に、彼女に腰を押し付けてしまう自分を、驚愕と共に見つめる。

『狂いそうなほど気持ち良い……』

拙い愛撫が、次第に大胆な動きへと変わっていく中、苦しげに顰められた悠理の眉間が愛しい。
清四郎は赤く染まった頬を両手で撫でながら、その溢れんばかりの愛しさを静かに伝えた。

「もう、良いです。このままだと果ててしまいそうだ……。」

強引に口から離れ、悠理の髪を優しく梳く。

「出しても良いのに……」

ありがたい申し出に首を振り、清四郎は悠理の裸体を再び横たわらせた。

「出すのなら……おまえの中に。」

そういって大きく脚を広げ、覆い被さる。

「悠理、愛してますよ。」

彼は繋がる時、必ずこの言葉を吐いた。
これが愛の行為であることを悠理に刻みつけるため、わざと強調する。

たっぷりと濡れた花園が、じわりとじわりと清四郎を包み込む。

「あ…………」

「ああ……気持ちいい。悠理……すごく良いです。」

目を閉じ、うっとりと宣告する清四郎。
悠理はそんな恋人の背中にしっかりと手を伸ばし、彼がこれから与えるであろう激しい動きに身構えた。

予想通り、清四郎は最初からトップスピードで穿ち始める。
逞しい腰から繰り出す、爆ぜるような突き上げに、悠理は一気に絶頂へと駆け上る。

「あっ…!やぁ、そ、そこ駄目っ!おかしく………なっ、いゃあっ!!」

清四郎は膣口付近にある快感場所を確実に捉え、そこを大胆に、そして繊細に擦りあげる。
悠理は、まだ汗一つかいていないしなやかな皮膚に短い爪を突き立てた。
それも彼にとっては一つの快感でしかない。
にやりと笑みを溢しながら、激情を休むことなく叩き付ける。

「…………いきそうですか?」

「いく……いっちゃう…………せぇしろぉぉぉ……!!」

喉の奥を絞るような悲鳴。
その声を聞いた清四郎は更なる抽送を加え、彼女を最高の高みへと押し上げる。

男の精を求め、締め上げる胎内。
まるで蛇に絡め取られたかのような、甘い悦び。

「……ああ……ゆうり…………僕も……」

同時に達する充足感は手放せない。
ぎゅっと目を閉じた清四郎は、自らをコントロールする為、悠理の震える身体を搔き抱き、彼女が息を詰めるタイミングで白濁を注ぎ込んだ。



二人の呼吸が同じ速度になり、ようやく清四郎は仰向けに転がる。
気付けばじわりと汗をかいていた。
背中にひんやりとした机を感じ、慌てて悠理の身体を引き寄せる。
腕一本で抱いた身体は、いつものパワーが潜んだ状態で、とても軽く感じた。

そう。
悠理は紛れもなく女の子なのだ。

そんな当たり前の事実を、いつも改めて感じさせられる。

「悠理、大丈夫ですか?」

「……ん。」

小さく頷くも、意識は微睡んだまま。
焦点の合わない視線を彷徨わせる。
清四郎自身、その可愛い仕草にはとことん甘かった。

すぐにでも二回戦に突入出来そうだが、さすがにこれ以上部室に残っていては拙いだろう。
悠理を抱く腕に力を込め、清四郎は囁いた。

「今日は僕の家にしましょうか。」

「え?」

「三日分には……まだまだ足りないんですよ。」

欲望を秘めた声は彼女の肌を粟立たせ、再び胸の中に炎を生み出す。

━━━こいつには一生敵わないな。

そう思い知った悠理は気付かれぬよう、淡い吐息を小さく吐き出した。