Campari Night(R)

漆黒の前髪が額を擽り、整った唇が悠理のものにそっと重なった。

「悠理、今夜は帰らなくてもいいですね?」

そう確かめたのは男だったが、本当は悠理こそが尋ねたかった。

――――『今日は一緒に居てくれる?』六人が大学を無事卒業し、四年間交際を続けて来た魅録と可憐が卒業式のあくる日に入籍を済ませ、新婚旅行と言う名の気儘な旅へ出掛けたのはもう五年前のことだ。
旅行期間はなんと一年。
その間、ミリタリーオタクの魅録はコネを使い、各国の軍事施設を見学することになっていた。
可憐はそれに付き添う形で世界中の美しい物や景色を目に焼き付ける。
それは義母である‘千秋’の言いつけでもあったからだ。

━━━いつまでも美しく居たいのなら、本物の美を見続けることよ?

すでに50を越えたはずの美しすぎる義母は、むしろ昔より若返って見える。
美意識の高さは可憐をも凌ぐらしい。
透明な肌にはシミ一つ見当たらなかった。

「まぁ、ほどほどにしとけよ。俺は年相応の姿が好きだからさ。」

夫の優しい言葉はさておき、こうして可憐は、‘本物の美’を手に入れるための第一歩を踏み出したのだ。

倶楽部内で生まれたカップルは彼らだけではない。
美童もまた国宝級の大和撫子を苦労の末ようやく手に入れ、無事婚約にまで漕ぎ着ける。
近い将来、彼は白鹿家の婿養子に収まる予定だった。
茶の世界は広い。
既に主要国での認知度も高く、伝統文化の象徴でもある茶道は、それぞれの国で確実に根を生やし始めている。
美童は家督をあっさりと弟に譲り渡し、白鹿流次期家元の鞘となることを心に決めたのだ。

そうなると残された二人も意識せざるを得なくなる。
しかし情緒と恋心から縁遠い彼らが、直ぐにどうこうなるはずもなく―――時はただひたすら、無情に流れていった。

大学を卒業して一年経った頃。
その年の清四郎は調査会社を設立するため、日々奔走していた。
そして・・・・
彼とは全く別の理由で就職と無縁であった悠理は、母親の見合い攻撃から逃れるため、一人旅に出掛ける事が多くなっていた。
どこへ言ってもVIP待遇。
時折、新しい出会いに胸を高鳴らせることもあったが、基本、やはり寂しかった。
心を通じ合わせた5人が側に居ない。
いつものように清四郎に頼りつきたくなるが彼女とて、もう子供ではない。
仲間たちの事情を理解した上で、一人‘孤独’と闘っていた。

暫くして………そんな悠理に一つの転機が訪れる。
美童の親しくしている友人がモデル事務所を立ち上げる事となり、‘是非とも応援要員として参加してくれないか’と彼女に白羽の矢を立てたのだ。
類まれな容姿と、どんな状況に置かれても不屈の根性を発揮する女。
美童もまたそんな悠理を強く説得した。
そして、退屈と孤独をもて余していた悠理は、案の定二つ返事で引き受ける。
その安易な決断が、自らの運命を大きく変えることになろうとは―――その時の彼女は想像もしていなかっただろう。

一枚のテスト写真。
それが世界中で有名なファッション誌‘With women’編集者の目に留まる。
当時、どのファッション誌もアジアンビューティを意識したモデルを取り上げていて、基本チャイニーズアメリカンが台頭していた。
しかしベテラン編集者‘ショーン’は、日本人ながらもどこか枠を越えた美しさを持つ悠理に着目する。
彼の審美眼は確かだ。
上司のゴーサインも速かった。
直ぐ様生まれたての事務所と契約が交わされ、悠理はあっという間に雑誌の巻頭へと躍り出る事になる。
素人臭さはむしろ好感度が上がる為、読み通り、読者の反響はすごかった。
問い合わせのメールが殺到し、ショーンは自分の目に狂いはない、と更なる自信を持つ。
しかし、彼女を知る者達は特に驚かない。
粗雑な中身を隠しながらの、倒錯的な姿には昔から定評があったからだ。
世界中の美女を渡り歩く美童が背中を押したという理由もある。
むしろ当然の反応だ、と納得する。
その上、‘剣菱財閥’という付加価値が付いているのだ。
使う方として、彼女は‘金の卵’にほかならない。

――――まだまだ化けるはずだ。

更なる色気を引き出す為、ショーンは完璧なチームを組んだ。
それはアメリカンドリームの聖地、ニューヨーク。
擽られた好奇心に少しだけ迷った悠理は、しかしついに飛び込む決心をした。
仲間たちは皆、それぞれの環境へと散っていく。
彼女もまた、自分の居場所を探し求めていたのかもしれない。

そして………

悠理が旅立つ前夜。
久々に集まった六人は、大学時代によく利用したダイニングバーで盛大な送別会を催す。
とはいえ、ただ単に好き勝手しゃべり、好き勝手飲む、といういつものスタイルなのだが。

「とにかく頑張りなさいよ!ついでに少しくらい英語、マスターしてきたら?」

「心配ですわ。トラブルに巻き込まれないよう気を付けて下さいね?」

「野梨子の言う通りだ。簡単には助けに行ってやれねーぞ?」

「みんな心配性だねぇ。でも悠理ならきっとやれるよ。」

可憐、野梨子、魅録、そして美童はそれぞれに励ましの言葉をかける。
しかし清四郎だけは、何も口にしなかった。
否、出来なかったのだ。

先程からピリピリと高ぶる神経。
何故、皆が笑顔で見送れるのか、不思議で仕方がない。
悠理が自分の側から消えるという現実は、この世のどんな事よりも違和感を感じる。

空虚
虚脱
喪失

それら全てが覆い被さってくる気がして、清四郎の胸はギシギシと痛んだ。
杯を重ね、悠理を盗み見る。

━━━果たしてこんなにも可愛かっただろうか?

切なさが軋んだ音を立て始める。
しかし彼はまだ気付かない。
その想いが恋であることを。

皆、それぞれの明日があるため早々に、それでも深夜12時は回っていただろう、解散した。
しかし清四郎だけは、まだ飲みたがっている悠理に付き添うことに決め、皆を見送った後、夜遅くまで営業している店を脳内に思い浮かべる。

ひっそりとした静かなバーは、普段悠理が好まぬ場所。
しかし酒が飲めるのならこの際贅沢は言っていられない、と促されるまま入店する。
長身の男に腕を絡め、ふらふらとした足取りでカウンターに座り、カンパリソーダをオーダーした悠理。
男はバーボンを頼んでいた。

「………寂しくなりますね。」

「ふん。あたいの心配しなくていいから、内心喜んでるんだろ?」

「本心ですよ。」

その言葉を証明するかのように、清四郎はグラスを一気に空ける。

「・・・おまえだって忙しくなるじゃん?きっとすぐに慣れるさ。」

「慣れません。どれほど長くおまえの側に居たか、知っているでしょう?」

「・・・・・。」

━━━━━珍しいな。

悠理はそのとき、そう思った。
彼にしては珍しい台詞。
その横顔は苦しみに耐えるかのように歪められている。

「そんなに寂しがんなよ!アメリカなんて、すぐじゃん?」

笑い飛ばした後、目の前に差し出されたカンパリソーダを半分ほど飲み干す。
居心地の悪さを振り払うかのように。

グラスを置き、そろりと横を窺えば、見たこともないほど真摯な瞳が悠理を見つめていた。

「な、なに?」

「…………いえ、もっと飲みましょうか。」

「うん。」

心が騒ぐ。
清四郎がいつもの清四郎じゃないみたいで…………
カウンターに置かれた男らしい手を見つめながら、悠理はどぎまぎした。

そのほの苦い酒を何杯飲んだだろう。
8杯目までは覚えてる。
気が付けばそこはホテルの一室で、清四郎の汗ばんだ背中に必死でしがみつき、自分でも聞いたことの無い声をあげていた。
体力に自信のある男が眉間に皺を寄せながら、息を荒くする様は不思議な光景としか言いようがない。
身体の芯に灯った炎が徐々にうねりをあげ、全体に広まって行く。
何度も繰り返し打ち寄せる快感の波。
果たして自分はこのような行為を本当に受け入れたのだろうか?

「あぁ、悠理………なんて素晴らしいんです、おまえは。…………くっ…………はぁ………」

男が達する瞬間の色気ある声に、悠理もまた高みに到達したような気がした。
その後、酒の力が睡魔を呼び寄せ、二人は泥のような眠りにつく。
体力を根刮ぎ奪われたまま朝を迎えた時、悠理は清四郎の腕の中でゆっくりと記憶を呼び起こしていた。

二人は確かに酔っていた。
誘ったのは清四郎。
おどけて便乗したのは悠理だ。

慣れた仕草で腰を引き寄せられ、ホテルへと向かう。
チェックインした部屋は比較的広いジュニアスイート。
大きな窓から見える朧気な夜景が目に染みた。

掻き抱かれ、息も出来ぬほどのキスが与えられる。
悠理にとっては初めてのキス。
清四郎の力はあまりにも強く、今さら逃げ出すことなど、到底不可能だった。

「………っ!待てってば!」

「もう……遅い!」

彼は興奮していた。
酒のせいではない。
何かに焦りを感じているかのように、悠理を襲う。

「せ、せぇ…………」

制止する為の声も封じられ、ひたすら熱い唇と酒の芳香を味わいながら、脳裏で瞬く無数の光にくらくらとした。

「悠理…………」

蕩けるような呼び掛け。
そこで初めて清四郎の目を真っ直ぐに見つめる。

「おまえを抱きたいんです……」

率直すぎる言葉は、しかし悠理の単純な脳みそに確実に響く。
頷くと同時に押し倒されたベッドはさすが一流ホテル。
僅かにも軋むことはなかった。

悠理は背中から胸に回された腕を見つめる。
鍛えられた身体にしては細いだろうか。
しかし筋肉は均等に美しくまとわりついていて、自分と比べるまでもなく、清四郎は男だった。

「やっちゃった……」

周囲と比較するのなら遅い部類だろう。
それも相手は親しい友人。
元婚約者ではあるけれど、今まで男女の意識はなかったはず。

腕から抜け出そうと身を捩らせれば、清四郎の腕はさらにきつく悠理を縛った。

背中に感じる熱い肌。
腰に当たる確実なソレ。

「清四郎……そろそろ時間だから、起きろよ。」

時計はまだ七時前を指していたが、敢えて声をかけ、目覚めを促した。
アメリカに向けてのチャーター機は正午発。
あまり悠長にもしていられない。

清四郎はゆっくりと瞼を開くと、穏やかな微笑みで悠理を見つめた。

「おはよう。」

「……………おはよ。」

「何時です?」

時計に目をやりながらも、悠理を離そうとはしない。

「そろそろ七時だって。シャワー浴びなきゃ。」

「ふむ。もう一戦出来るくらいの時間はありますよ?」

「あ、あほ!こっちはクタクタなんだい!」

「体力自慢のくせによく言う。」

小さな胸を揉みながら、やらしい言葉を吐く清四郎。
悠理は違和感を感じつつも、一晩で植え付けられた快感には抗えない。

「あ………んっ!」

「おまえは感度が良すぎます。今まで随分と勿体ない時間を過ごしてきましたね。」

円らな突起は痺れるような甘い刺激に、完全に勃ち上がる。
それを執拗に繰り返された悠理はとうとう清四郎を振り向いた。

「するんならとっととしろ!バカ!!」

「良いんですか?そうなるとアメリカになど行けませんよ?」

「━━━━えっ!?」

清四郎は悠理の顎を捉え、漆黒の瞳を正面からぶつける。

「今まで通り、僕の側にいなさい。」

それは甘い誘惑だった。
その言葉に頷けば、この温かい懐の中で昔のようにぬくぬくと過ごせるのかもしれない。

何も考えず、
何も心配せずに、
ただ清四郎の庇護下で楽しく暮らせる。

しかし悠理はそれを断る。
戯れに与えられる愛情にだけ頼ることはもう出来ない。

皆は大人になったのだ。
そして自分もそれに倣わなくてはならない。

「アメリカ、行くもん。」

「悠理……」

「行って、ちゃんとしたモデルになって、大人になるもん。」

「そんなものにならなくても僕は…………」

「あたいを淋しがらせない?ずっと面倒見る?無理だよ!おまえはおまえでこれから忙しいんだろ?あたい、邪魔なんかしたくないよ!」

「!!」

驚いた顔は次第に崩れ、悔しげに歪む。

「………おまえを口説いてはダメなのか?」

「なら……今度会うときまで余所見しなかったら、口説かせてやるよ。」

「どれくらいの間?」

「さあ?それが無理なら、またダチに戻るだけだじゃん?」

「戻れません。戻りたくなんかない。僕はおまえを……」

言葉に出来ない想いをぶつけるかのように、清四郎は悠理を抱き締めた。
彼女にはこの選択が正しいかなど判らない。
熱い男の情熱的な抱擁が、全ての判断を曖昧にさせてしまう。

「せぇしろ、今まであんがと。あたい、ちゃんと大人になるから。」

「…………大人になんてならなくても、僕にとって悠理は悠理だ。それだけは変わらない。」

「ん。あたいはあたいだ。」

そうして二人は別れた。
再会の日については口にしないまま、軽いキスだけを残して………。




「悠理、今夜は帰らなくてもいいですね?」

「………うん。」

清四郎が手を引き、向かった場所はあの日のホテル。
役所に婚姻届を提出した二人は、晴れて夫婦となった。
深夜にも関わらず、にっこり笑顔でそれを受け取ってくれた初老の職員は、「お幸せに」という言葉と共に小さな溜息を吐く。
それは感嘆の溜息。
見目麗しい若夫婦への明らかなる賛辞であった。

「一睡たりとも眠らせませんから。」

「………どスケベ。」

『三年九ヶ月ぶりの男がどれほど飢えているか、思い知らせてやりますよ。』

男はそう言った。

━━━ふん、おまえだけじゃないんだぞ。

三年九ヶ月と七日。
それだけの期間を経て、悠理はようやく日本へと戻ってきた。
その間、他の男に口説かれ、ふらりと身を委ねたくなったことも一度や二度ではない。
しかし、ダメだった。
少し触れられただけでも寒気がし、その都度、男をぶん殴って逃げた。
清四郎に課せた条件を期待していたからじゃない。
もちろん貞操観念に煩いわけでも無い。
それは生理的嫌悪なのだろう。
指に触れられただけでも鳥肌がたつほど拒否反応が現れる。
そんな彼女はスタッフたちに、「同性愛者」のレッテルを貼られることもあった。
最初は否定していた彼女も次第に面倒くさくなり、放置しておくことにした。
誰に理解されなくてもいい。
悠理に触れる事が出来る「男」は、唯一「清四郎」だけなのだから。

「シャワー、浴びてきて良い?」

「一緒に浴びましょう。もう僕達は夫婦ですしね。」

「………別に………いいよ?」

細かい水滴に打たれながら、二人は激しく唇を重ね合わせる。
三年と九ヶ月………
若い二人にとっては明らかに長い時間である。

「ああ………ゆうり………」

「せいしろ………」

肌を流れる水滴ごと、清四郎はその舌で舐め啜った。
身体の隅々まで女を味わう。

「本物ですね。写真よりもずっと……ずっと綺麗だ。おまえで何度慰めたことか…」

「あ………ん………せぇしろぉ………!」

啜る音がシャワーよりも大きく響き、悠理の敏感な部分を長い舌が執拗に絡みつく。

「………悠理は?どうしていたんです?」

「な、何………?」

「僕を想って、自分でしていましたか?」

「あ、あほ!!!」

「どうなんです………この可愛い膨らみが少し大きくなった気がしますよ?」

ズズと吸い込まれ、悠理は身体を大きく痙攣させた。

「あ………やぁ………!!!」

「ほら、正直に言いなさい。」

「………!!!してた、してたってばぁ!!ああ~!!!」

コリコリと噛まれながらの絶頂はあまりにも強烈で、悠理は呆気なく脱力する。
くったりとした身体をバスタブの縁に座らせた清四郎は、さらにそれを割り開き、ピンクの秘唇を露にさせた。

「誰も、触れていませんね?本当ですね?」

「ん……ぁ……おまえしか触れてないよ?」

「指はどうです?ここに突っ込んで掻き回して、僕のコレを想像しましたか?」

「も、やっ!苛めないで……」

「むしろこちらの方がよほど苛められていたと思うんですがねぇ。」

長く美しい二本の指が秘められた場所を曝く。
彼の言う通り、快楽を覚えこまされた悠理は清四郎を思い出しながら、日に何度も自分を慰めていた。

「おまえを抱きたくて仕方なかった。何度、ニューヨークに押しかけて連れ戻そうと考えたか……」

「あたいも……ほんとは待ってた。おまえが来てくれるかもって、ちょっと期待してたんだ。……結構、狡いだろ?」

「狡いですね。そんな女にはお仕置きしなくては……」

清四郎は搔き回しほぐしたそこへと舌を差し入れる。
悠理の全てをこじ開けるよう、突き入れたそれを限界まで伸ばし、奥の奥まで沈ませると、零れる愛液を一滴も残さず舐め取った。

「ひぃ……やぁぁ~!!」

悲鳴は途切れることがない。
何度も絶頂を味わった悠理は、とうとう軽く意識を飛ばしてしまった。

とろんと落ちた瞼。
そんな虚ろな目に、立ち上がった清四郎はそっと口づけを落とす。

「愛してる。悠理……もう、おまえは僕だけのものです。」

遠ざかっていた悠理の意識が見る間に戻ってくる。

「清四郎も、あたいのもんだね。」

「離しませんよ。今度こそ。」

「もしかして、ついてくんの?」

「駄目ですか?必ず追いかけます。会社は何とでもなりますから。」

「ふふ。そうだよな。あいつらも居ることだし……」

「さあ、そろそろ限界だ。繋がりましょう。」

悠理を抱え上げた清四郎はバスルームから飛び出すと、濡れた身体のままベッドへとダイブした。

「おまえがモデルだなんて、本当に嘘みたいだな。」

「へへん。ちょっとは見直しただろ?」

「言ったでしょう?悠理は悠理。どれほど見た目が変わっても、おまえはおまえですよ。」

「ちぇ、意地悪なヤツ!」

長い月日を経て二人は結ばれる。
身体だけではない。
強固な縁で心が結ばれたのだ。

「明日は皆に報告ですね。」

「……あいつらびっくりするだろうな。」

「ええ、盛大に驚いてもらいましょう。」

笑い合う二人に憂いは見当たらない。

その後、悠理はニューヨークに戻ったが、一ヵ月後、妊娠が発覚。
結局は帰国し、両親の意向で盛大な結婚式を挙げることとなる。

清四郎は調査事務所を魅録たち夫婦に任せ、一転、子煩悩な父親へと変身するのだが、それはまた別のお話。
彼らは周囲が驚くほど仲睦まじい夫婦となり、離れて暮らすことは二度となかったという。