なぁ、清四郎。
なんです?
今年の桜も綺麗だったなぁ。
そうですね。例年より少し早咲きでしたが。
うん、散るのも早かった!
………あっ!しまった!桜吹雪の中で遠山の金さんごっこすればよかったかも。
いい年して……何考えてんです。
と、年、年言うな!あたいはまだ20代のつもりだぞ?
さすがに無理が…………いや、確かにおまえは若く見えますけどね。
清四郎ちゃんは年相応だよなー。
………薄毛にはなってませんよ。
ぷはっ!!(笑)おまえが“ハゲ”ってイメージ、全然想像できない!
想像しないで下さい。
…………来年も、一緒に桜見ような。
もちろんです。恐らくは、初孫と一緒に楽しめるはずですから。
そうだよな!悠歌が母親になるなんて、考えられないけど……。
おまえほどじゃなかったと思いますが。
どういう意味だよ……。
だいたいおまえがあたいを……
ええ、僕がおまえを……無理やり“母親”にしてしまいましたね。
そ、そだぞ。
後悔、してませんか?
後悔?
ええ……。”僕の妻という人生“以外の道を奪われてしまったこと、後悔してませんか?
後悔なんか………するわけないだろ。
本当に?
………あたい……お前以外の男と結婚させられてたら、きっと後悔したと思う。
悠理………
おまえが側にいてくれて、あたいのこと好きでいてくれたから……ずっと幸せ………っ……んっっっ!?
〜中略〜
あのさぁ……不意打ちやめろよ……
この歳で、そんな可愛いことを言うおまえが悪い。
………なんだよ、それ。
いつでもおまえしか見ていませんよ。これからもずっと……あの世に行ってからも………
気が早いってば……。
…………そうですね。
まだまだ遊ぶんだからな。生まれてくる孫だってあっという間に大きくなるさ!早く世界中を見せてやりたい。
なるほど。それは本当に楽しみです。
だから、いつまでも元気でいような?
もちろん……そのためには……ね?
お、おまえ……ほんと変わんないよな〜。いやらしいコトばっかするんだから……
ふふ……これぞ健康維持の極意ですよ。
バーカ……