道場小話

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道場小話6

初夏の日差しが磨かれた道場の床に射し込む。 師範代をはじめ、厳しい稽古に臨む子供たち。 様々な型を次から次へと繰り出す汗だくの彼らを、悠理は腕組みしながら眺めていた。 (清四郎もあんなだったのかな) ...
道場小話

道場小話5

「さすがにわしも年でのぉ。………弟子を増やすのはもう無理じゃわい。」 「んな固いこと言わずにさぁ~。あたいだったら水くみも鶏の世話も経験済みだし、じっちゃんの肩だって揉んでやるじょ?」 「ふぅ………確かに、嬢ちゃんほどよく動く弟...
道場小話

道場小話4

いくら──── いくら和尚から技を聞き出したいにしても、あんなことまでする必要性があるのか? さっきから肩、腕、腰、足………全てをマッサージして回る悠理。 媚びるようにヘラヘラと笑いながら。 まるで丁稚奉公に来た小僧だ。 ...
道場小話

道場小話3

試合に負けた清四郎なんて、初めて見る。 落ち込んでるよな。 プライド高いもん。 でも─── 仕方ないよ。 足首ひねってんじゃん。 脇腹も打撲してんじゃん。 夕べ飲んだ帰り、酔っぱらいの車に轢かれ...
道場小話

道場小話2

「ふぉっふぉっふぉっ。嬢ちゃんもなかなかやるのぉ。清四郎がほれ、余裕を欠いておるわい。」 「じっちゃん!早く攻撃の仕方、教えてくれよ!このまんまじゃ、いつまで経ってもあいつに勝てないじゃん!」 「わしゃ知らんもーん。第一...
道場小話

道場小話1

「おや、早速来ましたね。」 「お、おう。」 よほどハードな鍛錬をこなしていたらしい。 いつもの隙のない髪型はすっかり乱れ、清四郎は汗だくの状態で悠理を出迎えた。 「午後の部では師範代が一対一で組み手をしてくれます...