砂漠の王子が恋する時(番外編)

砂漠の王子が恋する時(番外編)

甘い罠

「砂漠の王は何を求めるか?」(後) のその後・・・ 愛してる。 愛してる。 清四郎だけが、あたいの身体をこんなにも熱くする。 15時間きっかりで帰宅した夫に、10分後、早速ベッドに押し倒されていた。 でもそ...
砂漠の王子が恋する時(番外編)

砂漠の王は何を求めるか?

二人が香港から帰国して二ヶ月が経ったその頃。 サイードとの偶然の再会も記憶から薄れ始めていた悠理は、母・百合子に連れられ、とある団体が行う国際親善パーティに出席していた。 いつもなら夫婦仲良く参加するそれも、万作が畑仕事でぎっくり腰...
砂漠の王子が恋する時(番外編)

砂漠の王が憂いに惑う時

それは偶然が生み出した再会であった。 結婚丸三年の祝いを香港で過ごそうとやって来た清四郎と悠理。 万作ご自慢の別荘と迷った挙げ句、ペニンシュラのスイートを五泊貸し切り、あちらこちらで食べまくる。 まさに悠理の独断場。 年を重...
砂漠の王子が恋する時(番外編)

砂漠の王へとなるために

サイードは街を見下ろしていた。 強い風が吹き、黄砂にぼやけた世界。 踏みしめているそこもまた、砂の塔ではないと誰が言える? この銀色をした建物も、明日には塵に還るかもしれないのだ。 「サイード。」 「マリア。」 一人...