ねぇ、魅録。
あんたって………意外と弱いのね。
そんなにも王女様が結婚したこと、ショックだったの?
仕方ないじゃない。
彼女だってお年頃。
いつまでも一夏の思い出に、縛られてなんかいられないでしょ?
でも────
そっか。
あんた、初恋だったもんね。
あれからずっと純情を捧げてきたもんね。
だったら奪ってこれば良かったのに。
無理矢理にでも日本に連れてこれば良かったのに。
住む世界が違うなんて思わないわ。
彼女はすごくイイ女だし、きっと────
………え?
もう忘れた、ですって?
………嘘吐きね。
でもいいわ。
苦しくて、
淋しくて、
そんな理由であたしを抱きたくても、今は叶えてあげる。
優しい?
そうかしら?
でもこっちも必死なの。
あんたみたいな機械バカに首輪を着けたくて仕方ないんですもの。
フフ、おかしい?そんなことないわよ。
ねぇ、初恋にサヨナラしたら、ちゃんとあたしと向き合ってよね。
そうすればきっと───
優しく抱いてあげられるから。
チチに未だ恋心を抱いている魅録にしてしまいました。可憐さんを大人っぽくし過ぎたかも。