彼らの日常

「やれやれ、どうしてこうも学習能力がないんでしょうねぇ。」

「う、うるさいやい!」

「食べ過ぎが原因で腹を壊して、アトラクションに乗りそびれた………なんて、大学生のすることじゃありませんよ。」

「ぐっ…………」

「あまつさえ、“二時間も並んでたんだから乗せろ!”と喚き散らすとは………。周りの小学生がどんな目で見ていたかわかりますか?」

「し、知るかよ!んなもん。」

「少しは大人になりなさい。もうハタチでしょう?」

「………………大人だもん。」

「どこが?」

「……………夜、とか。」

「……………ほぅ、大人ねぇ?誰でしたっけ?僕のアレを舐めること、散々嫌がってた人は。」

「あ、あほぉ!!それとこれとは……別じゃんか!」

「“後背位は恥ずかしすぎるから、布団被らせろ”って、亀みたいになっていたこともありましたねぇ。」

「だ、だって………お尻の穴見えちゃうじゃん。さすがに恥ずかしいよ!」

「既にたっぷりと見せてもらってますけどね。」

「…………変態ぃ!」

「まあ………夜のおまえは確かに色っぽくなってきましたから、恋人の立場としては嬉しいんですけど。出来れば日中も少しは大人しくしてくださいよ。あと、食べ過ぎにも注意するように。」

「────うん。」

「よしよし、素直ですね。そういうところが…………好きですよ。」

「えへへ。」

 

こんなやり取りを平然としながら観覧車に並ぶ馬鹿っプル。
周囲の大人たちは、子供の耳を塞ぐことに必死となり、観覧車に並んでしまったことを激しく後悔していた。

しかしこれが彼らの日常。
日々、「恥知らず!」と叫ぶ野梨子の気持ちも解らなくはないのだ。