「せんせーー!」
眩しい太陽の下、悠理の健康的な身体が輝きを放つ。
昼夜問わずして、あの身体を貪る事が出来る僕は、本当に幸せ者だと感じる。
教師として、あるまじき事だけれど・・・。
『夏の終りの海はクラゲが出るから・・・・』
そう諭しても、彼女は海に行きたいと駄々を捏ねた。
仕方なく、きちんと整備されたプライベートビーチがあるホテルを選び、こうして二人きりの旅行を楽しいんでいるわけだが・・・。
本当は一日中、部屋に閉じこもって悠理を抱きたいと思っていた。
日焼けなどさせないで・・・真っ白なままの身体へ赤い痕を無数に残して・・。
それでも・・・・・あんな風に、太陽よりも眩しい笑顔を振りまく彼女が見たいと思う。
学園では随分我慢をさせているのだから、こんな時くらいは思いっきり伸び伸びさせてやりたい。
「先生も一緒に泳ごう!」
「そうですね。」
深い砂浜をものともせず駆け寄ってきた悠理は、僕の腕を掴んで海へと向かう。
水着の谷間に決して消えることのない痕跡を見れば、どうしても思いだしてしまう夜の姿。
『毎日、君のここへ印を付けますよ。僕のモノだという印を、ね。』
『うん・・・いいよ・・・。あたいは先生のモノだから・・・。』
そう言って、ゆっくり胸を差し出す悠理の艶めかしさといったら・・・おっと、拙い。
興奮してきたではないか。
冷たい海に浸かることで立ち上る熱を宥めようとするが、彼女はにんまりと笑い僕の下腹部に触れる。
「なに興奮してんの?」
「・・・・・知ってたんですか?意地が悪いですね。」
「あたいの水着姿で興奮した?」
「それもありますが・・・それだけではありませんよ。」
「先生って、結構やらしいよね。」
「悠理も、ね。」
お返しとばかりに彼女の腰を抱き寄せ、すっかり煽られてしまった昂ぶりを擦りつける。
冷たい海など何の役にも立ちはしない。
「あ・・・せんせ、硬いよ。」
「早く、これを挿れたい。部屋に戻りませんか?」
「ここですればいいじゃん?」
「・・・・衛生的に問題があるので却下します。」
「そなの?」
「ええ。それに終わった後、すぐにシャワーを浴びたいですし・・・。」
「解った。じゃ、もう少し泳いでからでもいい?」
拷問にも等しいが、大人の余裕で微笑んで見せた。
彼女は、海の中を抵抗なく、まるで人魚の様に泳ぎ行く。
それを追いかけ、捕まえ、そしてまた放つ。
その繰り返しを何度も愉しむ。
年齢も、立場も、この海の中ではすっかり取り払われ、ただ子供のように遊ぶ。
ああ・・・久しぶりだ、こんな気持ちは・・・・。
仰向けで海に揺蕩う心地良さ。
太陽は眩しいけれど、目を瞑れば静かな波の音だけが聞こえる。
悠理のおかげだ。
彼女の存在が、僕にこんな幸福感を与えてくれた。
愛しい。
心から愛しいと感じる。
「先生、疲れちゃった?」
「まさか。」
まさか・・・。
むしろ体力の衰えなど微塵も感じない。
彼女に引き摺られるように、若返っている気さえするのだ。
「・・・・・そろそろ部屋に戻ろっか?」
「そうですね。次は・・・・」
太陽の下、冷たく濡れた唇を奪う。
「シーツの海で・・・溺れさせてやりますよ。」
僕たちは来年もこの海に来るだろう。
二人の禁じられた関係を知るこの海へ・・・・。