軽々と抱えられる身体に、抵抗する力は残っていない。

男と女の差。
清四郎とあたいの差。

中心を貫く硬く尖った杭が、何もかもを奪い尽くす。

否定する言葉も、
溢れる涙も、
少しばかりの意地も、何もかも…………

「悠理……気持ちいいんでしょ?答えなさい。」

「ん………ふっ!も、もう………抜いてっ………!!」

何度目かも分からない。
頭の芯が、
身体の芯が、
ぞわぞわとする気持ち良さ。

たった二度目のセックス。
けれど清四郎は全てを見切ったかのように、あたいを責め立てる。

「まだまだ抜きませんよ。こんなにも気持ちいい事を止められるわけがない。」

「ひぁぁぁん………!」

擦れ合い絡みつく粘膜が、びしょびしょになってる。
なのに清四郎は拭こうともせず、立て続けに激しく動く。

「………あ……ひっ!………ま、またおかしくなるっ!」

「良く感じる体だ。もっと素直になるよう調教してやりますからね。」

キリの無い快楽って、こういうことを言うんだろうか。
玩具のように弄ばれながらも、大切な何かを必死で拾う。

いつ言えばいいんだ?

━━━━━好き、って言葉。

「知っていますよ。」ってすかした返事が返って来そうで、なかなか口に出せない。

こうやって揺さぶられ続けてると、心の破片くらい、ヤツに届きそうなもんだけど……

胸が絞られる分、体も無意識に反応するようで………

「……っふ……くそ……なんて蠢き方をするんだ。」

清四郎の首筋を汗が伝う。
それが胸板に、そして腹筋に流れ、結ばれた部分へと届く。

「………ゆうりっ!」

「せぇしろ………!!」

「好きだ!」

「好きっ!!」

頭が真っ白になる。

快感だけではない幸福感に…………酔う。



「やっと言えましたね。」

「おまえだって…………」

「男がそう何度も言う台詞じゃありませんから。」

「んなわけないだろ!」

「………確かに。想いを口にしながら達すると、とても気持ちが良かった。クセになりそうです。」

「え、エッチ以外の時でも言えよ!」

「はいはい。では悠理もちゃんと素直になってくださいね。」

「……………………うん。」