昔から僕は、彼女を苛めたい衝動に駆られていたけれど。
最近はより一層、激しい泣き顔が見たくて仕方ない。
これも普段、僕の中に潜んでいる破壊衝動が、解き放たれ始めたからなのか。理性で抑え込んでいた分、どうやら性質(たち)が悪そうだ。
悠理という対象物を手に入れて、感情のままにそれをぶつけてしまいたくなる。優しくしてやりたいと思う反面、
泣かせて、請わせて、怯えさせて・・・・
そして思うがままに貪り、気が狂うまでその無垢な身体を蹂躙し、果ては傀儡の如き従順な女に仕上げたい。

・・・・なんて、出来もしない妄想に耽るのも、どうやら僕の方がより深く、彼女に惚れているかららしい。

まあ、50/50な関係を望めないのは分かっていたし、現状、特に不満があるわけでもない。
あくまでもそれは、幻のような願望であり、実際悠理をそのように扱うことは不可能だ。
可哀想過ぎて。

それでも・・・・・

彼女の目尻からこぼれ落ちる水滴が多ければ多いほど、僕は昂ぶり、興奮が喉元を熱くする。

「せぇしろ………焦らすなよぉ」

と、か細く懇願されれば、わざと浅く抜き差しをし、快感のポイントを敢えて外してしまうのも、僕の嗜虐心によるものだ。

「どこを擦って欲しいんです?」

言え。
やらしい言葉を吐き、泣いて強請れば良い。
悶えながら欲しがって、身体だけでも僕に溺れてしまえばいい。

美しい瞳から流れ出す大粒の涙。
その清浄な姿に、ドクドクと音を立てながら粟立つ胸。

「も、もっと………奥………」

「奥?ちゃんとどの辺りか言いなさい。」

「うう……意地悪っ!」

「今更でしょう?」

真っ赤になりながら悔しがる悠理は、食べてしまいたくなるほど可愛い。
いつか本当に食べてしまおうか・・・・なんて、馬鹿げた妄想が再び擡げる。

「………このへん」

指で示されたそこに素早く口付けた僕は、一気に彼女の最奥まで貫いた。

「ひぃぃああ!!!」

やわやわと締めつける肉の中で、あっという間に持ってかれそうなうねりに耐える。
奥へ奥へと誘うよう絡みつく極上の快感。
悠理だけが与えることの出来る、最高の瞬間。

「せぇしろぉ………!!」

「悠理………好きです………おまえを愛してる………」

のぼせるよう呟く僕を、嬉しそうに見上げてくるその顔に、どれほど感情を揺さぶられるか。
きっと幼い彼女は知らないだろう。

だから僕はその苛立ちをぶつけるよう責め立てる。
本当に壊してしまわないよう、手加減を加えながら・・・・・