大学部二年目の有閑倶楽部。
いつものメンバーは短い青春の日々を存分に謳歌していた。
そんな六人に大きな変化が訪れたのは半年前のこと。

清四郎と悠理、メンバーの中心的人物である二人は突如として恋に目覚め、瞬く間に互いを意識するようになった。
特に清四郎の執着は目を瞠るものがある。

ワン・ツー・スリー
ホップ・ステップ・ジャンプ

甘い言葉と餌付け。
そして誰もが目にした事のない情熱で悠理の心を見事射止めた。

そうして男女交際を始めたふたり。三ヶ月後には百合子の命で結婚式を挙げることになっていた。
高校生だろうが大学生だろうが、彼女にとって大差ない。
むしろじゃじゃ馬娘がようやくこれで片付いたと、胸を撫で下ろしていることだろう。
あとは可愛い孫を次々と産んでくれれば言うことなし。
ハイソサエティな夫人の、人と違った感覚は相変わらずで━━━
しかし恋に溺れた清四郎にとってはありがたい話であった。

そして今日も………
悠理の寝室では恋人同士が甘く絡み合っている。
清四郎がしつこくせめ立てるのはいつものこと。
彼女の泣き顔に物凄く興奮する性癖である為、その手を緩めることはない。

「悠理、どうです?」

「あ……んっ!そこ………ばっか、やだよぉ。」

舐めしゃぶっていた胸先はピンと張り詰めている。
たっぷり時間をかけたせいで、色は濃く変化し、妖しい光を放っていた。

「では………次はここですね。」

悠理の腹をなぞるように移動した長い指は、すっかり濡れ始めたそこを優しくかき混ぜる。
愛液がこぽりと溢れ、淫らな音が響きわたる羞恥。
鼓膜までをも犯される感覚に身を捩らせようとした悠理だが、清四郎はさらに奥深くへと捩じ込んで行く。

「あっ………あっ………ん!」

「ほら?聞こえるでしょう?………まったくやらしい身体だ。」

何を言われてもその通り。
悠理は自分が快楽に弱い人間だと気付いていた。

━━━もっと、もっと!

腰をくねらせ、指を飲み込む。
トロトロに零れる愛液で、彼の指がふやふやけてしまえばいいと願うほど。

そんな彼女の本質を見抜く清四郎もまた、欲望を満たす為激しい指技を繰り出す。
意地悪な言葉で責め立てながら。

「はしたない娘だ。………どうするんです?若くから……こんなにも淫乱な身体になって………」

「い、『いんらん』じゃないもん!」

「ほんとに?」

膣壁を擦る指は激しさを増していく。
快感のツボの全てを知る男は容赦ない責め苦を与え始めた。

「あっあぁっ━━━!やぁああ!!」

迸る愛液。
シーツがしとどに濡れる中、背骨が軋むほどの衝撃が訪れる。
清四郎の指を咥え込んだ柔肉は、逃すまいとその締め付けをきつくした。

「はぁはぁ…………」

「よしよし。可愛くイけましたね。」

優しく微笑み、悠理を褒める。
しかし、くちゃくちゃと掻き乱すよう蠢く指は、未だ体内に残ったまま。

悠理はヒクつく身体をどうすることもできない。
清四郎を見上げる目はとろりとした熱を帯びながら、その先への期待感に揺らめいていた。

「………どうしてほしい?また指がいい?それとも………」

「…………もっと太いのがいい。」

「オーケー。」

猛々しい雄のシンボルはもう片方の手で準備が整えられ、あからさまな行為ながらも悠理の目は釘付けとなってしまう。

「期待通り………たっぷりと啼かせてあげますからね。」

そんな言葉に更なる浅ましさを見せる秘所。
ただでさえ感じやすい悠理に手首までをも濡らされ、清四郎は抱えきれない欲望を剥き出しにした。
舌なめずりする顔はいつになく獣じみている。

「ああ……、ここに挿れたら、さぞ気持ち良いだろうな。」

感嘆の声が悠理の耳に落とされる。
自分を心から欲しがっている清四郎を見て、自然と足が緩んでゆくのはいつものことだ。
そんな従順な身体を見つめ、清四郎は掻き混ぜていた指を勢いよく抜き去ると、悠理の両足を肩に乗せ、代わりとなる逞しい男芯で奥深くまで刺し貫いた。

「っ!!!」

呼吸が、一瞬、止まる。
半開きだった口が酸素を求め、ハフハフと開閉する。
声なき声が空気を震わせるも、彼が抜く気配はない。

「はぁ…………毎晩のようにしていても、この締め付けですか。よほど括約筋が発達しているんだな。」

清四郎の言葉が胸に沁み渡り、それが悦びへと変わってゆく中で、より深く招き入れようとする悠理の秘洞。

「おまえだって………毎回、すごいじゃん…」

体の中心を彼に支配されながら、その存在の大きさに戦く。
それは悠理の全てを虜にする硬さだった。

「ふ……当然です。おまえを抱けるなら時と場所すら選びませんよ。」

さらりと変態的な発言をするも、彼ならやりかねない。
悠理は即座に否定した。

「いや………それは選ぼうよ。」

「おや、つれない。」

彼女の息が整ったのを合図に、清四郎の律動が開始される。
最初はゆっくり、時に焦らすほど優しく擦られ、ボルテージは否応なく上昇してゆく。

「はっ………はぅ……あ、気持ちい……い。 くぅ…あっ…………んっ………」

下腹の深い所、まさしく子宮付近が痺れだし、柔らかな尻がもどかしく揺れ始めた。

「どうしてほしい?」

意地悪な男の意地悪な質問。
全てを見透かしておきながら、悠理の口からやらしい言葉を引き出そうとする。

「も、もっと………」

強請る自分ははしたないけれど、今はより強い快楽を手にしたい。

「もっと?」

「あたいを………ぐちゃぐちゃにして?」

「…………してやりますとも。いつでも、どんな場所でも、僕を求めて来るように、ね。」

肩に乗っていた足を左右に大きく広げ、清四郎は悠理の腰を強引に引き寄せた。

「ひぃ……あぁぁ!!」

瞬間、下腹から内臓を押し上げるような圧迫感に見舞われる。
子宮口を強引に押し開かれ、最奥まで陵辱され尽くすような感覚。
緩急をつけ、先端の広がった部分が悠理の膣襞をこそぎ取るよう、淫らに動いた。

「悠理、気持ち………いいか?」

「うん………うん!善すぎて……………あ、あたい……もぉ………」

反り返った逞しい楔が出入りする度、媚肉は捲れ、蜜が飛び散る。
狂ったように啼き叫ぶ悠理を見つめ、清四郎はラストスパートをかけはじめた。

「きゃんっっ! ひあぁっ! あ、あ、あ……イく……! 」

腰を激しく振り続ける清四郎。
絶頂の真っ只中にいる彼女に最高の興奮を覚える。
そして彼もまた、額に汗しながら忘我の境へと入っていった。

「っく………悠理!!」

欲望が弾けるその瞬間、清四郎は汗ばんだ細い身体を抱きしめた。
そして、迸る情熱を身悶えする悠理へと注ぎ込む。

「んっ………ん………」

断続的に腰は震え、多量の白濁が一滴残らず胎内へと向かう。
悠理の子宮へ……全てが……。
それは何物にも代え難い恍惚。

重なり合ったまま余韻に浸る二人は、荒い息を吐き出し、打ち鳴る心臓を整えた。
気怠さの中、互いの体液が混じり合う心地よさに身を預ける。

「すごく……良かった。」

「…………あたいも。」

「結婚まで……あと三ヶ月ですね。」

「……あ、うん。」

「早く、’妻’となったおまえを抱きたい。」

「今と…どう違うんだ?」

「うーん、所有欲、かな?」

「……しょゆう、よく?」

「そう。悠理が僕だけのものになる歓びを一日も早く味わいたいんです。」

清四郎は悠理の額に張り付いた前髪を優しく払いのけ、愛しさ全開で見つめる。
照れ隠しも出来ない悠理は、真っ赤な頬でこう答えた。

「バカ。…………今だって……おまえだけのもんじゃんか。」

「悠理……っ!」


いつもより早く訪れた二ラウンド目。
百合子の野望が叶う日も、そう遠くはないはずだ。