“このまま閉じ込めてしまいたい”
そう感じるほど、清四郎の心は悠理を縛りたがっていた。
しかし教師として大人として、そんな事は到底出来ない。
彼女を飛躍させること・・・それは自分に課せられた最低限の義務だ。
「ん・・・・せんせ・・・なに・・考えてんの?」
清四郎の胸の突起を指先で触れながら、悠理は不満げに見下ろした。
「君の事ですよ。」
「うそ・・だ・・違うこと考えてた。」
「嘘じゃない。」
揺らめく腰を両手で押さえ込み、下から思い切り突き上げる。
「んんっ!!!」
唇を噛み締め、快感の涙を零し、悠理は胸を反らした。
「ああ・・・やはり我慢が利かないか・・。」
清四郎は悠理を持ち上げると、あっという間にベッドの枕へと押しつける。
俯せた状態で・・。
「せ・・せんせ・・・」
「枕を噛んでいなさい。どう足掻いても君は声を洩らすだろうから。」
言いながらその昂ぶりを埋め込んでいく。
「薬は・・・飲んでいますね?」
「ん・・・うん・・・」
それは実家の病院で処方した経口避妊薬。
清四郎は同居した次の日に、すぐさまそれを手配した。
悠理の胎内を直に味わうため、どうしても欠かせない方法。
自分でもとことん鬼畜だと思わざるを得なかったが、彼女の中はそれほどまでに心地良かったのだ。
たとえ万が一、子を孕んだとしても・・・それこそが自分の望みではないのか?
清四郎は野蛮な妄想に浸る。
激しい律動を加え、押し殺された声を聞き、単純に反応する愚息。
『ああ・・・もう、僕は溺れきっている。』
何もかも捨てて、悠理と二人で暮らしていきたい・・・そんな悪魔の甘言が幾度脳内を巡ったことだろう。
「ゆうり・・・悠理・・」
うわ言のように名を呼びながら、清四郎は更に奥へと貫き始めた。
悠理の薄い背中に汗が滴り落ちる。
本当は汗などではなく、自分から飛び出す白濁したものをぶちまけたいが、しかし胎内で出すことの魅力には逆らえない。
「ん・・せ、せんせ・・も・・・う・・」
「ああ、僕も・・・そろそろ・・」
同じタイミングで達することが出来るのも彼女だけ。
清四郎は泡立ち始めた入り口を目に捉え、悠理の快感を追う手助けを始める。
そろり・・と長い手を伸ばし、秘められた花芽を擽るように弄れば、悠理は枕を噛み締め、首を激しく横に振った。
「んんっっ・・・!!」
「よく締まる・・・悠理・・・出しますよ・・・・」
「ひっ・・!」
短く叫んだ悠理を抱きしめ、清四郎は欲望の全てをその中に吐き出した。
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小さく痙攣する身体を包み込みながらも、なかなか分身を出そうとはせず、
清四郎は余韻に浸るかのように目を瞑っていた。
隣の気配が気になりながらの行為だったが、悠理はかなり興奮していたように思う。
心臓を打つ音がやけに速いのだ。
悠理だけではない。
自分も興奮していた。
声を押し殺すという制限が、彼女の身体を更に敏感にさせる。
『今度は目隠しでもしてやりますか。』
大人の欲望が頭を過ぎるが、そんな事を考えていたら、またもや力が漲ってくる。
「あ・・・せんせ・・・また・・」
「もっと欲しい?」
「ん・・・。」
「可愛いな。」
どれだけ貪っても足りない女。
生徒だというのに、まだまだ子供だというのに・・・
清四郎の飽くなき欲望を見事受け入れてくれている。
「好きだ・・・。授業中も君を見れば・・どんどんと欲が湧いてくる。自分でも抑えられないほどに。」
「・・・あんなクールな顔して?せんせ・・・やらし・・・」
「君は?」
「あたい?」
「僕を見て、欲情したりしませんか?」
「・・・な・・・・何言って・・!」
途端に頬を染めて横を向く姿。
清四郎はその横顔に口付けると、耳元でぞっとするほど甘く囁いた。
「濡れたり・・・しないんですか?」
「あ・・・」
嘘のように反応する身体は、清四郎の逞しい肉茎をとろりと濡らす。
「・・・おや、いい反応ですね。」
「や、やだ・・」
「胎内(なか)もキュッと締まって・・僕を絞り尽そうとしている。」
「あ・・はぁ・・・も・・動いてぇ・・・」
官能的な声と共に悠理の下半身が蠢き出すと、清四郎はようやく身体を起こした。
そしてくるりと仰向けにさせた後、サイドテーブルに置かれた腕時計の下のハンカチを手にし、悠理の口へと突っ込む。
「ふがっ!」
「今度は君の顔を見ながらイきたい。少し苦しいだろうが我慢してくれ。」
「んん・・・!」
真っ赤な顔は抗議の証。
しかし、悠理は何も出来ないまま、清四郎の激しい抽送に溺れ始める。
「ああ・・すごくイイ・・本当に素晴らしい身体を・・・している。」
「ん・・・ふ・・!」
興奮の度合いを示すかのように、悠理の鼻から洩れる息遣いの感覚が短くなる。
「イイんですか・・・すごく締まってますよ?」
意地悪く問われても、コクコクと頷くしかない。
「いい子だ。たっぷり中に出してやりますからね・・。」
『さっきも出したじゃん!』
と無言の驚きを見せるが、清四郎はすでに無我夢中で腰を振り始めていた。
「あ・あ・・・・悠理・・・・ゆうり・・・!」
恍惚とした顔で自分の名を呼ばれると、歓喜が駆け巡る。
悠理は求められる快感に、すっかり身を委ねていた。
「・・も・・う、イッてしまう・・・・・・悠理・・・」
清四郎は達する直前、悠理の口からハンカチを抜き取ると、代わりに自分の舌を突っ込んだ。
なんの遠慮もない激しいキスを交わし、汗ばんだ肌を抱きしめる。
互いの嬌声を閉じ込めながらエクスタシーを感じれば、そこはもう、天国のように白い世界が広がっていた。
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泥のような眠りにつく二人。
いつもの体勢で・・・・。
クーラーの風がのぼせた身体を心地よく包み込む。
清四郎は眠り落ちていきながらも、携帯電話でアラームをセットする。
早朝には悠理を自室へと帰さねばならない。
だが、それまではこうして抱きしめていたい。
今までの人生でこんなリスキーな行動を起こしたことはなかった。
いつも石橋を叩き、慎重に慎重を重ね、真っ当に歩んできた。
それなのに・・今はこの刺激こそ「生きている」という感覚を与えてくれる。
彼女を手にし、彼女との未来を考える。
それこそが「己の人生」なのだと突きつけられた気がするのだ。
もう、手放せない。
手放せば、自分の足元は一気に崩れ去ることだろう。
これがどんな過ちだとしても、岩をも通す一念で必ず達成してみせる。
清四郎の胸に炎が宿る。
悠理に対する彼の想いは、強い執着と共に激しく燃え広がろうとしていた。