道場小話2

「ふぉっふぉっふぉっ。嬢ちゃんもなかなかやるのぉ。清四郎がほれ、余裕を欠いておるわい。」

「じっちゃん!早く攻撃の仕方、教えてくれよ!このまんまじゃ、いつまで経ってもあいつに勝てないじゃん!」

「わしゃ知らんもーん。第一おまえさんは、うちの門下生じゃなかろうが。」

「くそぉ。このごうつくばり!わあったよ!月謝払ゃあいいんだろ!」

「和尚………よして下さい。こいつをこれ以上調子に乗らせたら、後々大変なことになるんですから。」

「清四郎!余計なこと言うな!」

「やれやれ。お主も素直ではないのぉ。嬢ちゃんを守るのは自分だけの役目、と言えばいいだけの話じゃろうて。」

「お、和尚!!何を………!」

「ほれ、見てみぃ。真っ赤な顔をしておる。」

「悠理っ!違いますよ。違いますからね!」

「……………。」

「ふぉふぉ、いっちょ前に嬢ちゃんも赤くなっておるわい。」

「………悠理?」

「し、知らない!!せぇしろーのバカ!!」

 

────意地っ張りな二人。

変化の時が訪れるまであと少し?