ざわつく入学式

※小話


「いいですね?たとえ男子生徒に声をかけられても一切無視すること。中等部にもなれば、よからぬ輩がわんさか居るもんです。」

「解ってるってば。だいたい私、男子には興味ないし。」

「あのな、男なんかどーでもいいんだよ!いいか?とっておきのダチ、いっーぱい作るんだぞ?解ったな?」

「はいはい。パパ達みたいな親友が出来たらいいなとは思ってます。」

「よしっ!」

「男子はもちろん却下。」

「清四郎………おまえちょっと過保護過ぎるぞ?」

「過保護なくらいでちょうどいいんです。だいたい悠歌はおまえのようにヤンチャじゃない。箱入り中の箱入りなんですよ?」

「ふん!あたいが鍛えてきたから大丈夫だい!………だよな?悠歌。」

「ねぇ、ママ………パパ………これ以上は目立つから止めて。式始まっちゃうし。」

「「…………。」」

 

こうして否が応でも注目を浴びてしまった悠歌。
この学び舎を卒業する頃、彼女は両親を凌ぐ個性的な友人達に囲まれることとなる。

「こら、そこの男子!何チラチラ見てるんです?」

「もう…………ほんと、止めてってば。」