甘い罠

「砂漠の王は何を求めるか?」(後) のその後・・・


愛してる。

愛してる。

清四郎だけが、あたいの身体をこんなにも熱くする。

15時間きっかりで帰宅した夫に、10分後、早速ベッドに押し倒されていた。
でもそれは自分が望んだこと。

「おまえが何かを隠しているのは解ってる。」

そう告げて、清四郎は荒々しく肌に触れてきた。

 

もっと、

もっと、

痛いほど触れて。

サイードの痕跡全てを、清四郎の指で塗り替えて。

そんな身勝手な女の言い分。

「何も隠してないよ。ただ清四郎が欲しかっただけ・・・・」

突き立てた場所から、その真実を読み取れば良い。

「はぁ・・・・確かに、僕を求めてるな・・・・・熱く、固く、締め付けて・・・・」

「あ、ん。せいしろぉももっと硬くして?いっぱい抉って、無茶苦茶に突いて?」

あたいが欲しいのなら。
あたいだけを望むのなら。
この身体の全てはおまえの自由だから。

「やっぱり何かありましたね・・・・・・」

「やっ・・・止めないで!」

「悠理!」

愛してるなら止めないで。
曝こうとしないで。

「好き・・・・・・・清四郎だけが好き・・・・愛してる。」

だからあたいを覗き込まないで。

「・・・・・・・・・くそ!可愛い顔をして!僕も甘くなったな。」

焦れったさに悶えるかのように、清四郎は色んな場所に噛みついてきた。

うん、それでいい。

それでいいよ。

おまえになら食い殺されても、文句は言わない。

あたいを捕獲できるのはこの世で清四郎だけ。

生きるも死ぬも、彼次第。

そんな満ち足りた幸せの為に、あたいの口は貝になるんだ。